短編 | ナノ

 癖になる


【無くて七癖】というけれど、本当だろうか?


『7つも見つかるかな…。』


私は今、教会に来ています。理由は、シスターの癖を見つけたいから、である。


「ん?どうした名前。そんなところで…」

『今からシスターの癖を見つけようと思って!』

「癖…?なんでまたいきなり。」

『ただの興味本意。シスターの癖ってなに?』

「癖、か…そうだな…特に思いつかないが。」

『私もだよ』

「…よく探そうと思ったな。」

『だから今日ずっとシスターの近くをうろうろしてるから。』

「…ずっとか?」

『うん!1つでも多くの癖を見つけるの!』

「そうか」





ーーーーーーーーーーー





『シスター、癖は?』

「もう飽きたのか?まだ1時間しかたっていないぞ。」

『だってシスター癖ないから』

「だから思いつかないと言っただろう」


お互い目を見ながら過去の思い出を振り返る。記憶の中のシスターは何か共通する行動は無かっただろうか。


『普通飲み物を飲むときは小指を立てるとか』

「あまり無いな」

『足は右足を組むとか』

「足は意識して組まないな…」

『シスター、目立つような動作しないからだ…』


うぅ、と唸っていると、シスターが思いついたように口をひらいた。


「…そういえば」

『あ、癖思いついた!?』

「あぁ、癖かどうかは分からないが…、気付けばいつの間にかしているな…」

『それ癖だよ!なになに?どんな事!?』


それからシスターは少し考えてからこう言った。


「気付けば名前を目で追っている。」


『………はい?』



「これは癖なのか…?よく分からないが、他の奴にはしないな…」

『……え?』

「いつからだったか…、結構前からだな…」

『…あ、そ、…え?』

「どうした、暑いのか?顔が真っ赤だぞ?」


そしてシスターに顔を覗きこまれた。


『〜っ、それは癖じゃない!!!ばか!!!!』

「そうなのか?癖じゃないからってなにもそこまで怒らなくても良いじゃないか。」

『そこに声を上げてるんじゃないの!!』

「なんなんだ」

『それはっ……、えっと…、』


もっと顔が赤くなってさらには涙目になってきた。

そのとき


「………」



ちゅ


いきなりシスターにキスをされた。


『!!?!なななな、な、なに、を…!!』

「…あ、いや、すまん。つい。」

『…シスターはつい、でキスする人なの…!?』

「そうじゃない。ただ、名前が可愛かったから…、体が勝手に動いてしまった。」

『は……』


「これも癖か。」

『ぅ〜っ…』


するとシスターはまたしゃがんだ。


「もう一度して良いか?」

『え、あ…、』

「癖は1回じゃ足りない。」

『う…』


何も言えなくなってしまった。
そっと口付けられて、そのまま抱きしめられた。


『っん〜!』

「ん…はぁ、なんだ?」

『長い!』

「じゃあ短くする」

『や、もういい!』




そのあと何度もキスをされた。




癖になる




(探せばもっとあるかもしれないな。)
(シスターのは癖じゃなくて欲って言うんだよ。)
 
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