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誰のもの?




「「名前さーん!」」

『あ、鉄人兄弟!おはよう!』


日曜日の朝、ミサに向かう途中で鉄人兄弟に会った。


「一緒に行こ…「名前さーん!」」

『リク。それにニノも。おはよう。』


鉄雄の言葉を遮ったリクとニノがやって来た。


「おはようございます!」

「おはよう、名前。」


「ちょっとリクさん!邪魔しないでよ!」

「僕達が最初に話してたんだからね!!」


向かうリクとニノの前に立ち塞がり、歯向かう兄弟達。


「俺はただ唯一のオアシスを守っているだけだ!」

『ミサ始まっちゃうよ…』


「そうだ、名前。この間荒川の主と戦ったんだ。」

『そうなの!?どうだった!?』

「あぁ、惜しくも逃してしまったんだがな、なかなかの攻防戦だった。」

『それは凄いね!』


「お、何やってんだー?そんな所で。」

「賑やかでござるな。」


そこへ村長とラストサムライが現れた。


『あ、二人ともおはよう。』

「お!名前もいたのか!(原因はこれか…)」

「名前殿!おはようでござる!」


「名前さん、そろそろ教会行こーよー!」

「リクさんは着いて来ないで!」

「何で俺だけだ!」


名前の両手を取る鉄人兄弟。


「僕達から名前さんを取ろうとするからだよ!」

「泥棒猫!」

「どっからそんな言葉覚えたんだ!」


『…教会は?』

「まあまあ、そんな急がなくても良いんじゃねーの?」


そう言って名前の肩に腕を回す村長。


『でもそろそろ始まっちゃ…』

「すぐには始まらないでござるよ!」


必死に名前を教会に向かわせないようにする村長とラストサムライ。


『どうしたの、二人とも。シスターと喧嘩でもしたの?』

「別にそんなんじゃねーよ。ただちょっと疲れただけ。」

『何それ…』


「もうミサ始まっちゃうんじゃないのか?」

『そうだよね』


まともなニノ。


「早くクッキーを食べたいんだが。」

『…そうだね』


両手を鉄人兄弟に握られ、肩には村長の腕が回っており、自分からはまったく動けないようになった。


『……』


困り果てて、何も言えなくなった名前の元に、


「オイ!お前ら何やってんだ!!」

『星…!』

「チッ」

「来たでござるな…。」


星が現れた。


「誰もミサに来ないから来てみたら…。お前ら!特にそこの二人!俺がいないのを良いことに…!」


「何の事だよー」

「濡れ衣でござるー」

「白々しいな!」



「おい、星、どういう意味だ?」


いまいち分かっていないリク。


「その前に村長!腕!」

「減るもんじゃないから良いだろ?」

「名前の純潔と俺のプライドが減るわ!」


そう言って村長を引き剥がして名前を自分の元に引き寄せた。


「え、え、なに?何が起きてる?」

「リク…、実はな…、」


「名前殿と星は恋人同士なのでござるよ…。」

「え!?ウソ!?つり合わね!!」

「うるせぇな!!!ったく、油断も隙もあったもんじゃねぇ。ほら、名前行こうぜ。」

『うん!』


手を繋いで、教会に行った二人。


「……」

「……チッ」

「ていうか何で村長とラストサムライは知ってたんだよ…。」

「私も知っているぞ。」

「え!?」

「見てれば分かるだろ。」

「鈍感でござるな。」


その日、星の憎まれ度はMAXだった。




誰のもの?


(……なぜ星と名前しかいないんだ。)
(さっさと始めようぜ)
(…あ、あはは。)


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