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二人だけの時間




『シスターおはようございます。』


朝起きて、いつも自分より早く起きているシスターに挨拶をした。


「おはよう。ご飯はできてるぞ。」

『わぁ、和食だ!』

「リクから教わったんだ。たまには洋食以外も食べたいだろう。」

『やった、いただきます!』


口に入れた物はどれもこれも美味しかった。


『美味しいです!』

「そうか、良かった。」

『シスターは良い奥さんになれますね。』

「…あまり嬉しくはないんだが」

『そうですか?お似合いですよ。……ん?』


少しだけ耳をすませてみると、


『あれ…、雨降ってるんですかね…?』


ポツッと微弱ながらも雨音が聞こえた。


「ん?…あぁ、昨日村長が雨が降ると言っていたしな。」

『村長凄いですね。』

「この様子だとそろそろ…」



ザアァァア



「…本降りになるな」

『うわ、一気に…』


シスターの言葉を遮って雨が激しくなった。






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あれから家の外には一歩も出ず、二人は長い間無言のままだった。



『なんか雨の日って気分まで暗くなりますよね。』

「そうだな。」

『教会沈没しませんか?』

「大丈夫だろう。」

『……』

「……」

『…シスター』

「なんだ。」

『なんかいつもより口数減ってませんか?』

「…そうだな。」

『…どうしたんですか。』

「普段、朝からずっと二人でいる事はないだろう。」

『思えばそうですね。』


「何を話したら良いだろうか…?」

『…それを私に聞くんですね。』

「緊張しているのか…、あまり頭が働かないな。」


思わずプッと笑ってしまった。


『シスター可愛い…』

「…それも言われたって嬉しくないぞ。」

『だって率直にそう思ったんですもん。』

「私なんかよりお前のほうが…、」

『はい?』

「いや……何でもない。こうも河川敷が賑やかじゃないと調子が出ないな。」

『いつもはニノや星達がいますからね。』

「あぁ…ちょくちょく何かしに来ているな…。(ニノはともかく、星とリクについては一度対処をしなければな…。)」

『そう思うとちょっと寂しいですよね。』

「…私はお前といるならさほどつまらなくは無いがな。」

『え、そうですか?』

「あぁ。」


シスターはリリーの座っているソファの横に腰掛けて、頭を撫でた。


『ん…、シスターってよく頭撫でますね。』

「お前の頭が撫でやすいんだ。」

『何ですか、それ。』






ーーーーーーーーーーーーーーー






時間が過ぎても雨は止むことは無く、そのまま夜になった。


『シスター、私そろそろ寝ますね。』

「もうこんな時間か。案外早いものだな。」

『明日は雨止みますかね。』

「だと良いな。」


『晴れたら皆で、シスターも一緒にたくさんお話しましょう。』

「…あぁ、そうだな。おやすみ。」

『おやすみなさい』


シスターは誰にも見せないような笑みを浮かべながら、リリーを見送った。



二人だけの時間



君といればどんな時間だって


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