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トラブルマイペース





「なに探してんの?」

『エロ本』


ミサが終わり、リクと少しの言い合いをしていたら俺の可愛い可愛い彼女である名前が先にトレーラーに来ていた。

数冊のエロ本を片手に。



「ギャアァア!!な、ななな何やってんだよ!!」


バッと取り返したそれは紛れもない、年齢制限付きの本。


『星ってナース好きなの?』

「ブッ!!いきなり何を…!!」

『ほら、これも。』


影から取り出したもう一冊はコスプレモノ。


「止めろ!!!」


彼女の手からそれを取り上げようとした。


『そい、』


しかしその手は寸前でかわされてしまった。


「ちょっ、ちょ、女の子がそんな物ホイホイ取り出すんじゃねーよ!!返せっ、…って!!」

『おっと。』


思いきり体を乗り上げてその本を奪い返した。


「……中見たか?」

『私はあそこまで胸は大きくなかったかな。』

「忘れろ!忘れてくれ頼むから!ちなみに俺は名前の胸ならどんな大きさでも大丈夫だ!」

『別にそんなこと聞いてないけど。それより、今日の星は大胆だね。』

「んあ?」


ふと冷静になって辺りを見回すと、なんと俺が名前の上に乗っかっているではないか。


『なんてとぅLOVEるー。』

「うわぁぁあお!!悪ぃ!!胸とか変な所触らなかったよな!? ガンッ 痛っ!!」


勢いよく体をどけたのでそばにあった壁に頭をぶつけた。


「本当にごめんな?…ってなんで俺が被害者のはずなのに謝ってんだ…?」


いまだに倒れたままの名前に手を差し出した。


『星は胸フェチ、と。大丈夫、そんなアハンな展開にはならなかったよ。』

「なんか今最初のほうに聞き捨てならない台詞が聞こえたけど…。」

『気にしない気にしない。それより、星ここ怪我してる。』

「どこ?」

『口の横。』

「撫でて?」

『絆創膏あった気がする。』

「あれ、無視?もしかしてエロ本のこと怒ってる?」

『はい。』


全てを無視している名前は見つかったらしい絆創膏を貼ってくれた。


「……」

『できたよ。』

「ふちがはんぶんほどふはがってるんへすけど…。」

『はひふ?』


【口が半分ほど塞がってるんですけど。】


言葉は伝わらなかったが、小さく首をかしげる名前はそれはそれは可愛かった。ホームビデオに録画して10枚くらいのBlu-rayにダビングしたいくらい可愛かった。


『縦のほうが良いかな?』

「…!」


勢いよく首で肯定の意を示した。


『ぺたりっと。』


まともに貼り直してくれて感動した。
ちなみに距離は10cmも無いんだが、彼女は気にしないんだろうか。


「ありがとう。この勢いでチューしない?」

『どういたしまして。』

「あれ、また無視だ。絶対これ怒ってるよね。今日は夜まで無視のパターンだよね。」

『もう帰るね。胸が小さくてごめんね。』

「待ってぇぇ!!!ごめんってーー!!!」


すぐ追いかけても、彼女の後ろ姿はあっという間に見えなくなっていった。


「………」

「?…星、お前なに幼児くさい絆創膏してんだよ。今時アンパ○マンの柄って…。」

「あぁ!?元はと言えばお前がミサ終わったあと絡んでこなければ…!!」

「いきなりなんだよ!!」


偶然外にいたらしいリクルートに出くわしたから、とりあえずその憎たらしい顔を睨み付けて八つ当たりした。

絆創膏の柄がアンパ○マンだって事には、彼女らしかったので気にもしなかった。


「ていうかどうせまた名前さんに嫌われたんだろ。トレーラーから出ていくの見たぞ。」

「うるせぇ、嫌われてないし。相思相愛だわ。」

「名前さん村長並みにマイペースだからな……あれ、今名前さんまたお前のトレーラーに入ってったぞ?」

「なに!?」


ダッシュで戻ると彼女は部屋の中心でくつろいでいた。


「どうした?」

『お菓子食べたい。』


とりあえずコンビニで買っておいた菓子パンを捧げた。




君のマイペースな、どんな行動でも余裕で愛せる。



トラブルマイペース


(シスターの所もマリアの所も星のトレーラー以外じゃ落ち着けなかった。疲れた。)
(あぁ、もう可愛い。)


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