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彼女は予約済み




日曜日の朝、名前は起きあがって体を伸ばした。


『ふぁ〜あ、ミサに行かなきゃ。』


そして眠気が残ったまま日曜恒例のミサへと向かった。






ーーーーーーーーーーーーーーー






一番乗りはニノとリクだった。


「お、名前おはよう。」

「おはようございます。」

『おはようニノ、リク。ほんとニノはミサの時は目覚め良いね。』

「あぁ、不思議だ。」


ニノたちと雑談していると教会のドアが開いた。


「ん?もう来ていたのか。早いな。」


「シスターおはよう。」
「おはようございます。」

「あぁ。名前も、おはよう。」
『おはようシスター。』


シスターは名前に微笑みかけながら頭を撫でた。

最近はそんな光景が日常のようになっているので、リクたちもあまり気にしていないようだ。


「朝は苦手なのによく起きれたな。」

『もう、子供じゃないんだから。』


穏やかな雰囲気に包まれる二人の所に割り込んでくる男が来た。


「名前おはよう!早いな!」

『あ、星おはよう!』


朝っぱらからハイテンションな星。そんな彼を見てシスターは舌打ちした。


「そろそろミサを始めるぞ。」


早めに始まったミサはいつも通り早く終わった。







「なぁ名前、これからなんか用事あんのか?」

『え?うん、ちょっとね。』

「その用事終わってからとか無理?」

『う〜ん…、どうだろ……。』


ミサが終わり、星が名前に話しかけた。


「星、しつこいぞ。」


そこにシスターが割り込んでくる。


「なんだよ、シスターには関係ないだろ。」


名前を挟んで星とシスターの間には冷戦が起こっていた。


「十分関係あるな。」

「無いだろ?」

『シ、シスター…』


名前はシスターの様子を下から盗み見た。


「…はぁ、やっぱり言ったほうが良いのか?」

「?」


シスターはなにかを諦めたように言った。


「星、この際だから言うが、私と名前は付き合ってる。ずっと前から。」


「……っはぁぁあ!?名前本当なのか!?」

『う…、うん…。』


照れながら俯く彼女は頷いた。


「マジかよおおお!!」

「名前さんとシスター付き合ってるんですか!?」

「えー!!いつからいつから!?」


一気に騒ぎ立てる住人たち。


「………こうなるから今まで黙ってきたのに…。すまない、名前が取られそうだったから言ってしまった。」


名前の耳元でシスターが呟く。


『…でもこれからは隠さないでいいんだね。』


嬉しそうな彼女を見て思わず抱きしめそうになったが、周りの住人を思い出して留まった。


「というわけで名前はこれから私との用事があるから星は諦めてくれ。」


じゃ、と名前の手をひいて教会に戻るシスターを見て、誰もが星に同情した。




彼女は予約済みです


(なんで俺の好きになる子全員彼氏できんの!?)
(まぁ、そういう日もあるさ。)
(気を強く持て。)

(星と私と、どっちが好きだ?)
(ふふ、シスターに決まってるでしょ。)


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