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つかの間の休息





『膝枕がしたい』

「……なんだいきなり」


教会でボーっとしていた彼女が急に変なことを言い出した。


「眠いのか?」


ソファに座っている自分の膝を軽く叩いた。


『いやいや、シスターがするんじゃなくて、私がしたいの。』

「は?」


また変なことを言い出す。


『シスターに膝枕をしてあげます!』


名前は自分の横に座って膝を叩いた。


「…何がしたい。」

『シスターに癒しを届けてあげようと思って。』

「…本当は?」

『シスターの寝顔が見たい。』


あっさりと本音を漏らした名前は私の修道服のベールを脱がした。


『…重っ!!』


重しの入っているベールをやっとのことで外す彼女の顔が可愛くて手伝わないで見ていた。


『こんなの被りながら乗っかられたら膝が潰れるからね。はい、どうぞ!』


パンッと元気に膝を叩く様子から、もう断れないと感じた。
まぁ、元々断るつもりも無かったが。


「まったく…、…言っておくが私は生涯の中で一度も爆睡した事が無いぞ。」

『良いから良いから、はい。』


自分の頭を乗せた名前の膝は思ったより気持ち良かった。


『どう?』

「…まぁまぁ」


私もとことん素直じゃない。


『うーん、まぁいっか。今日だけは赤ちゃん言葉で相手してあげようか?』

「絶対にやめろ。」






ーーーーーーーーーーー






あまり時間は過ぎていなかったはずだが、後頭部に感じる温かい感触と髪を撫でる手の優しさに思わず就寝しかけた。


『シスター、無理しないで寝ちゃってよ。』

「……常に警戒心を持つことを…こころがけないといけないだろ……」

『ほらもう喋るのもたどたどしいし、まぶたも重そうだよ。』

「……」


また髪を撫でられたのを感じた。


『ここは私が見守ってるよ。今だけは肩の力を抜いてて?』

「…………ぁぁ…、」


観念した。


寝顔が見たいなんて言っといて、本当は私を休ませたかっただけなんだな。


「……はぁ、」

『なんでため息?』


本当に良い彼女を持ったと思う。


『…おやすみ』


頭に乗っかっている小さな手に自分の指を絡ませた。


「…ぁぁ…、……おやす…、」


ダダダダッ、バンッ!!!

「シスター、ゴキブリが!!!」


ガバッ「侵入者め!!」

『………』

ドガガガガガ!!

「ギャアァ!なんかっ、なんかいつもより多い!!」


いきなり入ってきた侵入者(星)に思いきり銃を撃ち込んだ。

だいたい騒々しい足音でヤツ(星)だとは思っていたが、久しぶりの静かな休息に水をさされたのに少し頭にきた。




…名前と二人でいれた時間も潰されたし。



つかの間の休息


苛ついたから、いつもは2発のところを20発撃ち込んでやろう。


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