短編。 | ナノ





恋愛。
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※雰囲気文+狩屋視点
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愛は真心。恋は下心。





恋は愛に劣っているとでもいいたいのかよ、このやろう。

ふと頭に過った漢字構成の記憶術ごときに憤りを覚えながら、足下に転がったサッカーボールを蹴り上げる。

派手に吹っ飛んだボールは弧を描きながら滑空。

着地点には別段興味が沸かなかったので、踵を返し水分補給へ向かう。


砂を踏み締めながら、そもそも。と、憤りを解消するための考察を開始。








そもそも。


愛と恋の違いってなんなのさ。

英訳すればさ、どっちもLOVEだろ?


愛=LOVE。恋=LOVE。

よって、愛=恋。

はい。証明完了。









…くっだらな。


鼻で笑う。

自嘲と呆れが綯い交ぜになった、心の中はどうしようもなくぐちゃぐちゃだ。



それでも、



あの人の姿だけは、くっきりと。


きらきら、している。





脳味噌に疼きを覚え、頭を掻いた。

ぎゅうっと目を瞑る。



桃色の煌めきが翡翠の瞬きを携え、閃光のように瞼の裏を走った。



瞼を開ける。







ああ、霧野先輩。


霧野先輩。霧野先輩。





俺の気持ちは、愛になってくれない。




それは、あんたが手に入らないから。






真心、なんて。



抱けない。













恋愛。
(あんた達が見せ付けてくる愛>俺の抱く恋。)












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解説という名の言い訳



拓蘭の見せ付けてくる愛の純粋さと比べて、自分の抱く気持ちはなんて醜いんだろう…勝てねーよ。


という狩屋くんです。

















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