南蘭練習
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拓蘭前提です。
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「霧野って神童とどこまで行ってるんだよ」
2人きりの更衣室。
ふと沸き上がった疑問を、男子更衣室で脱ぎ着するのには随分とそぐわない美少女っぷりを放つ可愛い後輩にぶつけてみる。
隣のロッカーへ手を突っ込んで、制服を取り出していた彼は、一旦動きを止め、俺を見詰めた。
相変わらず、可愛い顔。
思わず見つめ返すと、霧野はあっさり視線を反らしやがった。
残念。
「…うーん、と」
霧野は斜め上に視線を遣り、小さく唸りながら考えるような素振りを見せた後、くいっと小首を傾げて「特になにもないです」と、苦笑した。
上目使いの瞳が、きらりと照明に照り返る。
心臓が、一際大きく脈打った。
いちいち、
仕草があざといんだよ。
これで無自覚なんだから、タチが悪い。
頬の緩みを覚え、咄嗟にユニホームを脱ぐ動作をして顔を隠した。
「…マジで?俺だったら考えらんないわー」
「あー。南沢さんて、付き合ったら即、みたいな感じですもんね」
そーじゃなくって。
俺が神童だったら、お前目の前にしてマテなんか、できないってこと。
ユニホームの穴から頭を抜いて、バサッと脱ぎ捨てる。
まだ、霧野はユニホームを脱いでいない。
早く脱げよ。とか、思ってしまうのは男のサガだから仕方無い。
「南沢さんて、えろいからなー」
「まあ、否定はできないな」
「出た。ナチュラルえろみ沢さん!!」
何故かはしゃぎ出した彼に、
ただし、お前限定だぞ。
と、目で訴えてみる。
が、
「南沢さん、どうしたんですか。いつも以上に目が怖いですよ?」
と、心配されてしまった。
駄目だこりゃ。
鈍感すぎる。
頭にハテナを浮かべたアホ可愛い霧野に脱力して、思わず項垂れた。
まあね。もう霧野には神童という王子様がいるわけだから。
俺なんか、眼中にないんだろうけど。
ワイシャツを手に取り、袖を通す。ひんやり冷たい布が、部活で火照った皮膚を擦った。
さみ。小さく呟いて、もう片っぽの腕も袖に収める。
ああくそ。手がかじかんで釦が上手く止められない。
指から滑るプラスチックの小さな釦に、苛々。
と、ここで頭上に豆電球がピコーンと瞬く。
「なあ霧野ー、ワイシャツの釦、しめてよ」
手が、かじかんで、出来ない。
すると霧野は何の躊躇いもなく俺のワイシャツに手をかけて、
「南沢さん、冷え性なんですか?」
と、釦をかけ始めた。
「第1はやんなくていーわ」
「りょうかいです」
霧野は、第二釦から順々に釦をしめていく。
間近に迫る彼の頭が小さく揺れる様に、
もう、襲っちゃう?
と、悶々としてみたり。
「出来ましたよ。南沢さん」
「おう。サンキューな」
「俺も着替えないと」
「おう。早く脱げ。鍵返さなきゃだし」
「…なんか、南沢さんの脱げ″ってえろいですね」
歯を見せて悪戯っぽく笑う彼に「男はみんなえろいだろ」と、細やかな反論。
「そりゃ、そうですけど」
はは。と、軽い笑い声を溢しながら、彼がユニホームを捲り上げる。
腹、胸、鎖骨、首。
準々に晒される白い肌に、思わず食い入った。
咽がなったのは、紛れもなく欲求不満だから。
ユニホームを脱ぎ去り、上半身の滑らかな肌を惜し気もなく晒す可愛い後輩。
しかも、2人きり。
邪な気持ちが生まれるのには、充分すぎるシチュエーション。
滲んでくる、欲望とか劣情。
「霧野もえろいの?」
「南沢さんには負けますが。人並みの性欲はありますよー」
「へぇ、じゃあさ、今の神童との関係、物足りないんじゃないの?やりたいだろ?」
「えっ!?」
ちょっと直球過ぎたかな。
頬をやんわり赤くして、視線を泳がせる霧野を見て、思った。
「え、えーっと…、ないしょです!!」
顔真っ赤にしながら、人指し指を唇に当て「しー」のポーズ。
やばい。可愛い。
神童ボコるか。
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リクエストで南蘭もらったので息抜きがてら練習。
南沢さんのキャラをつかむのが難しいです。
なんか南蘭だと蘭ちゃんがかわいくなる。
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