短編。 | ナノ





directly
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・







微病み。たっくんが蘭ちゃん舐めてます。注意。
………………………………











膝小僧に、擦り傷。

そこから、垂れる赤。


彼の華奢な足を、
つぅっと滑っていく血液。



椅子に腰掛け「転ぶなんて、ダッセーよな」と苦笑混じりに呟く霧野の足元に跪いた。







間近に迫る、彼の傷。


砂利に裂かれて出来たのであろう細かで浅い切り傷が、皮膚の表面に無数に存在していた。

滲み出てくる血液により、それらは全て真っ赤な線のようになっていて。






霧野の、

中から、

血が。







咽が鳴る。




同時に込み上げてくる奇妙な衝動。




全身を蝕んでくる其れに抗う事を忘れ、


彼の傷口へ指を滑らせた。




「…いっ、た」



…神童?


彼の戸惑いに震えた声が頭上から響いた。



そんな彼の声を無視して、次に剥き出しの傷口へ唇を落とす。



ぴちゃりと、

濡れる感触。




軽く触れて、直ぐに離した。

唇を舐めると、血の味。


上目遣いに彼の顔色を伺うと、普段は凛々しい目元が困惑に垂れ下がり、頬が淡く紅潮していて。





ドクン。


心臓が膨張した。





「…な、なに?どうした神童?」



彼の足首を掴んだ。


細い足首。


微かに抵抗の力が籠った彼の足を、半ば強引に此方に引き寄せる。





膝から滴る血が、


白い肌を這いずり、


余計に映える、その真紅。




色の対比に、目が奪われる。




(…きれい)



無意識のうちにこう思ってしまうのは、やっぱり、異常なんだろうか。



「…し、しんど、…ッ」




赤い線をなぞるように、舌を宛がった。


そして、肌の上を滑らせ、何度も往復させる。


一滴も残らず、

舐めとる。



丁寧に、

血を掬う。



そして、

徐々に、上へ上へと

傷口へと、




「やっ、…んぅ、っ」



霧野の小さな呻き声。

足が一際強くしなった。



傷口に舌があたる。


ざらついて。

奇妙な舌触り、



「あぅっ…、つ…ぅっ」



表皮が傷付き、
露になった繊細な生身の肉。

裂かれた毛細血管から、
ほとばしる血潮。



霧野の、肉と血の味。



何故か、高揚感が

全身を駆け巡る。



ドクドク、と、

着実に高まる脈拍。




「神童…いてぇよ…っ。はなせ…ぇっ」







どこか弱々しい、

彼の声。


ぞくぞくした。



快感に似た感情に、思わず口の端がつり上がる。











(…あぁ、)

(おいしい)






自分でも吐き気のするような台詞を心の中で呟いて、


彼の血と肉を、堪能し続けた。





と、







「…だからっ、」



はなせよっ。




額を押され、舌が離れた。




天井を仰ぐような姿勢になり、必然的に彼と目が合うことになる。





そして、

見上げた彼の顔に、

また、





ドクンと、

心臓が。






真っ赤な顔。


耳まで紅潮して、涙目。


赤らんだ瞳が、無数のハイライトを散らして証明をうるうる照り返していた。



潤んだ眼差しから零れる妙な色気に、否応なしに全身を貫かれる。










あぁ、

俺が望んでたのって、


こういうことだったのか。


















directly
(2人を隔てるものは皮膚ですら、邪魔で)
















………………………………

微病み拓蘭。

病みたっくん好きです。

たっくんはただ蘭ちゃんの血とか肉を舐めたかった訳じゃなくて、直に蘭ちゃんに触れたかったという感じ。

皮膚ですら邪魔だったっていうのは、そのままの意味です。



















「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -