短編。 | ナノ





唯一の君
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キャラ崩壊注意












「神童の手首を、切り落とす夢を見たんだ」






そんな言葉と共に、霧野先輩は語り出す。

はだけた衣類をそのままに、乱れた髪を野放しに。


生々しい事後の雰囲気を拭うことなく、彼は俺を見詰めて口の端をつり上げた。



「神童がさ、ピアノしてて、それを、スパッて…」



おもむろに俺の手首をとり、反対の手を手刀の形にして、俺の腕に浮かび上がる動脈にそれを宛がう。


瞬間、手刀を擦らせて、「こうやって、切り落した」と、独り言のように呟いた。



くすくす。


まるで少女のように笑いながら、彼は俺の手首を離す。


「こうやって、切り落としたんだ」


二度目の彼の言葉に、彼が見たと言う夢が脳内に彷彿と浮かび上がってきた。









鍵盤の上を、

長い指が滑る。

骨張った華奢な長い指。


その指は、根元を平たい皮膚の板で共にしていて。


そして、

さらにその根元に目掛けて、手にしていたナイフを振り翳した。



迸る美しい旋律が、

悲鳴に変わり、



ボトリと、

彼の手が床へ沈む。










あぁ、なんだよそれ。

ゾッとする。








くすくす。


彼の声に、我に帰った。



どこか虚な瞳が、俺を捉えて離さない。









「神童泣くんだよ。もう、ピアノできないって…」


彼は言う。


「じゃあ、サッカーすればいいじゃんって、俺が言ったらさ」


彼は言う。


「あぁ、そっか。って、言って、笑ったんだ」


彼は言う。


「だから、俺は、思ったんだよ」


彼は言う。


「神童の大事なものって、代わりがあるんだ…って」











神童は俺を失ったら、

代わりの何かがあるの?



そんなの、

許さない。











彼は言う。












唯一の君
(君の代わりなんてないのに)
















…………………………


雰囲気文すぎてわけわかめですね。



あれです。

蘭は、拓が大事なものがたくさんあるのが許せなくて、代わりになるものがたくさんあるのが許せなくて、

俺を失っても代わりがあるの?

って、苛立って、

自分をマサにあげて、


拓の反応を見ようと思ったみたいな感じです。


さいていなヤンデレ構って蘭ちゃんが書きたかったんです。

















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