ライバル
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ミスと蘭は顔見知りという私得設定です。許せるかたへ閲覧を推奨します。
………………………
「時空を越えて只今参上。未来の完全無欠美少年ミストレーネ・カルス!!」
そんな、
声高らかな自己紹介が、俺の微睡みを阻害した。
声の方へ視線を移すと、
眩しい笑顔をその綺麗な顔に浮かべた、見覚えのある人物の姿。
深緑の髪をこれでもかと煌めかせ、
紫黒色の瞳を惜し気もなく輝かせ、
その他諸々、様々なきらきら効果を無駄遣いし、ミストレーネ・カルスは飛び出してきた。
俺の部屋の引き出しの中から。
俺は、暫し呆然としたあと、平和な日常に突如現れた厄介者に、偶然手にしていたどら焼きを顔面に投げ付けて、
「お前は未来の猫型ロボットかよ!?」
と、
突っ込まずにはいられなかった。
…………………………
「全く。いきなり人の顔に懐かしの黒い甘味物をぶつけてくるだなんて、君の品位も随分と落ちぶれたものだね」
ミストレは顔を擦りながら俺を咎め立てるように言った。
因みにちゃっかりとどら焼きを頬張っている。
気に入ったらしい。
「人ん家の引き出しから飛び出してきた奴に、品位も何もないだろ」
「別にいいじゃないか。ご長寿番組を模倣したちょっとした洒落だよ。高貴なオレにだってお茶目な一面があるのさ」
「お前の時代にドラ◯もんってあるのか?」
「放送はしていないけれど、見たことはある。あのずんぐりした青狸だろう?」
へぇ。
ドラ◯もん、終わっちゃうのか。それは何だか寂しいなぁ。
どら焼きを咀嚼しながら、細やかな感傷に浸る。
って、
そうじゃなくって。
「お前は何しに来たんだ?」
もぐもぐと口を動かしながら、ミストレはハッとしたように目を見開く。
傍らに置かれた茶飲みを掴んで、ぐいっとひと飲みしたあと、俺に向き直り口を開いた。
「そうだ。オレは君に大事な用があるんだよ」
ごそごそと鞄を探りながら、ミストレは何かを探す素振りを見せる。
やがて、探し当てたのか勢いよく引っ張り出してきたものは、
レースがふんだんにあしらわれた、俗に言うメイド服。
突拍子もないメイド服の登場に、目が釘付けになる。
「そろそろオレと君、どちらが真の美少年かはっきりさせようと思ったんだ」
いや。意味わからない。
「この服を来て、町を歩いて、先に声をかけられた方が勝者だよ。わかったかい?」
いや、
なにひとつ分かりません。
ライバル
(もう、お前の勝ちでいいよ)
……………………
あとがき
衝動的にミストレと蘭ちゃんの男の娘対決が見たくなっちゃったんです。
すいません。
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