短編。 | ナノ





そんな小さいコト気にするだなんて
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あの時、

はじめて、先輩と喋って



(なんて、綺麗な目。)



余りにもきらきらしていて、

眩しくて、






そして、同時に

先輩の優しさに触れて、



僕は、



きっと、恋をしたんだと思います。



………………………








「…えぇ!?霧野先輩って、男なんですか!?」


「当たり前じゃん。なにお前、まさか誤解してたわけ?バカだなぁ。」



嘲笑に似た笑みを浮かべ、
辛辣な言葉を容赦無く放つ狩屋くん。




「は、はい…」



しかも、

一目惚れっぽいもの、しちゃいました。



「え…、男…って」



早速、失恋、



…ですよね?


うわ。しょっく。


驚愕の事実に気が遠くなる。


焦点が揺れて、

思わず、空を見上げた。



オレンジジュースと水色のソーダ水を溢してしまったような、透き通った夕空のコントラスト。



こんなにも、綺麗な空の下。


僕の初恋は、

儚く散っていったらしい。


「…ああ。」



がっくし。

肩が下がる。


なんだか、脱力してしまった。




すると、

隣に佇む狩屋くんに、

顔を覗き込まれる。




「…もしかしてさぁ、お前」

「…??」


な、なんか、

狩屋くん目付き悪くなってない?




鋭利な眼光。

深い茶色に染まった瞳に、

まじまじと、

睨み付けられる。




「霧野先輩がすきなの?」


「えっ…!!」



いわゆる、図星。


不意打ちの言及に、
感情が表に出てしまう。



顔の紅潮を感じ、


慌てて、

彼の視線を避けるために俯く。




ああ、


これじゃあ、

肯定しているのと同等だ。

気付いた頃には、

時すでに遅し。



顔を上げると、

顔を不愉快そうに歪ませた狩屋くん。





「…うわー。まじ?」



ああ、

退かれてる。



「だって、あんなに綺麗だから、女の人だと思って…」



彼の視線が痛くて、

グランドへ顔を向けた。




そこで、

やっぱり一番に目に飛び込んでくるのは、


霧野先輩。



桃色の頭髪は、どこにいても目を引く。


グランドを駆ける霧野先輩は、やっぱり、きらきらしてて。



ああ、


眩しい。






「…霧野先輩って、綺麗だし、優しいし、かっこいいですよねぇ」


「…はっ。まじかよ。うける。」


鼻で笑われた。





え。なんだろ。



心折れたかも今。




「…狩屋くんは、霧野先輩が好きじゃないんですか?」


なんか、

変な問い掛けしてる気がするけど。

まあいいや。



なんか、

もう、


どうでもいい。


開き直り。




「え?好きだけど?」





え。






「大好き。ちょう好き。」






え。

えぇ!?












「俺は先輩を性別なんか関係なく好きだよ。」



隣へ、

視線を移す。



狩屋くんの顔を、

見た。




「…お前とは違う」




嘲り。


蔑視の混じった、

凄むような眼光。





にぃって、


狩屋くんは口の端をあげた。






「お前には、霧野先輩は、あげない。」

















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