短編。 | ナノ





狩屋くんがドキドキしてるだけ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・












目を瞑ると、目蓋の裏にあの桃色がちらついてドキドキする。


黙ってると、霧野先輩の「狩屋!!」って呼ぶ声がエンドレスに脳内を反響して、ソワソワする。



これなんなの。


動悸が凄いんだけど。


若年性更年期障害?


いやいや。ねーよ。

なんだよその矛盾だらけの名前。


新手の心臓病かな。

心臓への負担が半端無いんだけど。

寿命縮まってるもん。

これ。

生涯心臓が打つ鼓動数って決まってるとか言うよね。
ああ、俺死ぬわ。


たぶん50歳くらいでお星様。



ところでさ最近、霧野先輩って身体中にキラキラするラメ塗りたくってない?


なんかチカチカして目障りなんだけど。

視力落ちるわアホ。


キラキラさせるとか女子かよ。

女々しいのは顔だけにしろよ。


「蘭ちゃんキラキラ☆」

とか、鏡でやってんの?


うける。





ああ、そうだ。

霧野先輩に訊きたいことがあるんだよね。


先輩さ、絶対目から見えないビーム出してるよね?


なんなのあれ。

必殺技?


蘭丸ビーム″的な。


目が合うと、心臓がドカンッ″てなんない?


あぁ、えっと…。


ドカンッていうかバコンッ?


いや、バキンッ?


んー、まあ、言葉じゃ表せないけど、

とにかくなんかこう、

「ぐはっ!」て、なる。


精神的にダメージ負わせるとか、すごくね。


あれにはちょっと感心した。



…でもさ、味方にやるなよ!!


俺がとんだけ被害被ったと思ってんだよ!!


昨日なんかドリブルミスってこけたんだぞ!!


さいあく!!



当の本人は、

「狩屋がこんな初歩的なミスするなんて、まさに猿も木から落ちるだな」って微笑んでやがるの!!


蘭丸ビーム出っぱなしなんだよ!!


ばか!!


笑うな!!

威力倍増してんだよ!!


心臓が、死ぬ!!


あとさ、差し出した手、白すぎなんだよ!!


なにあれ女子?

手も細くってさぁ!!

おるぞゴラァ!!



ああくそ、なんか、もう…。



あーもう!!


勝手に顔がにやけんの最近!!


なにこれ霧野先輩の呪いだろ!!


「みんなの前で間抜け面晒してしまえ〜」


みたいなことしたんだろ!!

藁人形ならぬ(笑)人形で!!




うっわつまんね!!

もう俺自分のセンスの無さ最近自覚してきたんだからな!!

天馬くん達のせいで!!


くだらないこと言わせんなよ!!

もう霧野先輩のせいだ!!






「霧野先輩のばかー!!」


「…先輩をいきなりばか呼ばわりとは、いい度胸してんな狩屋」


「…っ!?」



肩に手を置かれ、振り向くと、


あぁ…。最悪。



「霧野…先輩…」


「文句があるなら直接言え。極力直すから。」








だから!!


蘭丸ビームなんとかしろ!!





















「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -