短編。 | ナノ





心中
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『極端でネガティブな人間不信の少年』











死ぬ勇気があるなら、生き続ける恐怖にも勝てる。だから、生きろだとか。


綺麗事も甚だしいですよね?




「またお前、中2病か?」




まだ1年なんだから、純粋なままでいろよ。




「だって本当に死にたい人にとっては、死は勇気のいるものじゃないじゃないですか。」




逃げ道ですもん。安らぎの終着点です。




「…まあ、そうかもだけど。」




死ぬよりは生きろってことだろ?




「生きてることの利点はなんですか?」



まあ、そんなの数えきれませんが。




「そりゃ、生きてれば、どうとでもなるじゃん。」




死んだら何もできないぞ。



「でも自殺を選ぶ人がいるということは、死に、何かを見出だしたということでしょう?」




死にも利点があるんですよ。




「死の利点てなんだよ。」




「ぜんぶが終わることです。」



間髪入れずに狩屋が答えた。


突如、狩屋の指が、俺の指に絡まる。




狩屋に反対の手で肩を押され、そのままのし掛かられた。










「先輩、終わりにしよ?」






抵抗する間もなく、

酸素不足になる程の、

強烈な口付けを受ける。




舌を掬い取られ、

口内に誘われる。



そして、



「…っん、」





舌を思いっきり噛まれた。



「…っやめ」


やっとの事で狩屋を引き剥がし、


乱れた呼吸を整える。




ヒリヒリ痛む舌。


狩屋の底冷えのするような蔑視の眼差し。



息を飲んだ。




すると、


血。

血の味が、喉を滑る。






「…お前、もしかして…」


俺の舌噛み切ろうとした?






狩屋の口の端が、つり上がる。


獣が牙を向くように、歯が唇から覗く。








「…先輩の舌、ちゃんと消化してあげる」







だから、ね?



………………………





いつか冷めるモノだというなら、


今、


きれいにおわらせよう。




ねぇ、

一緒にしのうよ。


























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