美男美女の仲良しカップルとか最強すぎ。A
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『喜多くんは幸せもの』
やあ。
天河原中のプリンスこと隼総英聖だぜ。
紫のサラサラヘアーが特徴のイケメンだぜ。
そして今日の俺は、洒落た喫茶店でコーヒーをたしなんでるところだぜ。
逆ナン待ち?
ノンノン。
我等が天河原サッカー部キャプテン喜多一番先輩を尾行してるところだぜ。
「隼総、まじでやんの?」
「当たり前ですよ西野空先輩。」
「やめといた方がいいんじゃねー?」
「いやですよ。こんなチャンス二度と無いでしょうし。」
喜多先輩を尾行すると行っても、彼が目的な訳ではない。
彼の彼女″を今か今かと、待っているのだ。
以前見せて貰った(と言うより奪った)携帯の待受を彩る謎の美少女。
桃色の髪に、青緑の瞳。
可憐で整った顔立ち。
ぜってぇ、喜多先輩には勿体無い。
「いやー。喜多ってけっこうイケメンだと思うけど」
「西野空先輩、俺の心読みました?」
「お前思ってること表に出過ぎなんだよ。バカだから」
カチンときたが、今騒いでしまっては喜多先輩に見付かってしまう。
ていうか、
喜多先輩がイケメンなことくらい重々承知だし。
負け惜しみだし。
どうせ、あの美少女ともお似合いなんだろ、分かってるし。
でもさぁ、
何だかんだ言って西野空先輩も気になってるんだろ?
彼はとっくにコーヒーを飲み干していたが、帰る気配がない。
まあ、尾行仲間は多い方がいいので(バレた際に、怒りが分散されるから)都合がいい。
金髪セミロングに眼鏡という目立つ格好は避けて欲しかったが仕方がないか。
これが彼のアイデンティティらしいから。
「あー、彼女さんまだですかねぇ」
「まだだろ。喜多の携帯から盗み見た待ち合わせ時間まで余裕あるし。」
確か約束の時間は11時。
あと15分。
ていうか喜多先輩何分前から待ってんだろう。
俺が2人の待ち合わせ場所のココに着いたときには既にいたし。
喜多先輩って、紳士だからなぁ…。
あんなキラキライケメン顔して、
紳士だからなぁ…。
「やっぱり喜多先輩ってモテるんスか」
「まあな、それなりに。」
やっぱり。
まあでも、学校のプリンスと持て囃されてる俺には敵わないけど。
コーヒーカップに手を伸ばし、軽く啜った。
その時、喫茶店の扉が開くチャイムが鳴った。
つい動揺して、コーヒーを吹きそうになる。
慌てて飲み込んだ。
「隼総、来たぞ。例の彼女」
やはり。
とうとう来たか。
西野空先輩が顎で指す方向を、チラリと一瞥した。
いたいた。
あの美少女。
やっばいな。
現実で見るとますます可愛い。
「喜多ごめん。またせちゃったみたいだな」
「まだ約束の時間まで10分あるじゃないか。君が謝ることないよ」
「相変わらず、喜多はかっこいい」
「君は、相変わらず可愛いよ」
「…それ、誉め言葉になってないから」
「ごめんごめん。でも、本当に、そう思うんだよ」
「まあ、喜多だから許す。実はね、喜多にそう言われるのは、割りと、嫌じゃないんだ」
「そうなの。じゃあ、たくさん言ってもいい?」
「じゃあ、喜多のこともカッコいいって言いまくろっと」
なにこの恥ずかしい会話。
…比較的静かな喫茶店だから、一単語残らず筒抜けなんですけど。
公衆の面前でいちゃいちゃすんな。
こっちが赤面するわ。
「喜多とあの子、めっちゃラブラブじゃん」
西野空先輩がにやにやしながら囁く。
「しかもお似合い。」
うん。
確かに、お似合い。
畜生。やっぱり喜多先輩イケメンだわ。
目許凛々しいし、鼻筋通ってるし。
私服もお洒落だし。
あの美少女と釣り合ってんだもん。
「喜多先輩ずりーなー」
あんな、可愛い子と付き合えるなんてさ。
見たことねーよ。あんな美少女。
モデル並み。
背も意外とあったし、モデルなのかな。
そういや、服装がさっぱりしてて驚く。
顔に似合わず、ボーイッシュな感じ。
まあ、美少女はなんでも様になるってやつか。
「喜多何か頼む?」
「どうしようかな。霧野くんは?」
ほおほお。
仲睦まじく一緒にメニュー覗いちゃって。
おあついなぁ。
…………ん?
今、きりのくん、
って、言った?
え。美少女のこと君付けなの喜多先輩。
まてよ。
聞いたことあるぞその名前。
きりのって、霧野!?
あの雷門の霧野!?
まてまてまて。
…たしかに、あんな可愛い美少女″は見たことない。
うん。ない。
だけど、男はあったよな。
霧野。
たしか霧野蘭丸とかいうやつ。
男って知ったときに、何人かが戦意喪失したじゃんか。
あれ?
桃色の、ついんて。
喜多先輩と接触があって、
えっと、
え?
「西野空先輩、俺なんか驚愕の事実に直面したかもしれないです」
「ああ、奇遇だな隼総。俺もだ。」
「どうするべきですか西野空先輩」
「黙って見守ってやるのが一番だろう」
再び、彼等を盗み見る。
どう見ても、美男美女カップル。
だけど、
えっと、
いわゆる、
「隼総。」
「なんですか西野空先輩。」
「愛に性別は関係ないんだよ。」
「西野空先輩…」
「2人が幸せなら、それでいいじゃないか」
「…そうですよね」
2人の幸せそうな微笑みを見て、
何故かこっちまで、
笑ってしまった。
…………………………
「まあ、でもぶっちゃけあんだけ可愛かったら俺もキスくらいはしたい」
「ですよね。性別とかどうでもよくなりますよね。」
「あれで男は無理があるよな。」
「全くもって同感です。」
「ていうかさ隼総、俺等は何のために喜多を尾行していたんだろうな」
「ていうか尾行すらしてませんよね。ただ待ち伏せただけですよね」
「まあいっか。喜多が幸せそうだし」
「ですね。」
……………………………
喜多蘭ていうより、
隼総くんと西野空くんの話になっちゃいましたね…、
なんか、こんな出来でよかったのでしょうか…、
すいません!!
あと隼総くんのキャラは
学校のプリンスって呼ばれてるって聞いてから
ナルシストにしか想像できなくなりました。
硬派な隼総くん好きの皆様ごめんなさい。
だけど、
ラブラブな喜多蘭と
仲良しな天河原がかけて楽しかったです。
テーマのご提供ありがとうございました!!
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