短編。 | ナノ





『ハラスメント』マサ蘭
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『大嫌いと言える日まで』












どうにかして、あの人を屈服させたい。




「霧野先輩って、本当に可愛い顔してるー。付き合いましょうよ」


毎日のように、耳許で囁いた。


時には、手を取ったり、抱き締めたりしながら。



不快そうに顔を歪める先輩を見るのが、本当に痛快だった。



「霧野先輩かわいー。めっちゃ好きです」


もっと、いやがれ。


「先輩先輩。だーい好き」


もっと、くるしめ。


「霧野先輩は本当に可愛いですねぇ」



あんたが、

性別について人一倍敏感なのはとっくに把握してる。

自分の性別にそぐわない扱いをされる事が、心底嫌なことくらい分かってる。



もっと、もっと、


もっと、嫌がらせしてやるよ。



鼻っから、あんた、気に入らないんだ。


中途半端な優しさを振り撒いて、

希望をちらつかせといて、あっさり、裏切るんだもん。


あぁ、苛つく苛つく。


大嫌い。


俺に優しくするなら、もっと、俺に献身してよ。依存して。執着して。


キャプテンにするみたいに。


無理なら、ぜんぶ要らない。

眩しい笑顔も、優しい言葉も、



おこぼれの慈悲なんか要らない。






「先輩、すきだよ。大好き。本当に死ぬほど好き。」



好意という善を偽って、


それを盾にして、


あんたが病むまで、嫌がらせしつづけてあげる。



「かりや…っ、ふざけんなよお前!」


嫌がるあんたの首筋に、歯形つけて、鬱血痕つけて、傷付けて、穴開けて、


そっから、血を啜って。


「やめろ!!はなせ…っ」


「大好き。先輩、すきだよ。愛してる。好き、好き。本当に、狂うくらい大好き。」


耳許で偽りの愛を呟いて。

噛んで、楫って、


「かりや…っ!!」


直接肌に触れて、撫でるように指を滑らして、

爪をたてて、引っ掻いて、抉って、




屈辱に唇を噛むあんたを、余裕綽々な笑顔で拝んであげる。



「霧野先輩」



好きでもない同性に、こんな事されちゃって、


気分はどう?

最悪でしょ?



あっは。

いい気味。ざまあみろ。




もっと、いやがれ。








……………………





それでね。



もし、万が一、先輩が俺に堕ちたら、


次は大嫌いだった″って、吐き捨ててあげるんだ。





大嫌い″



この言葉が、

大打撃になるまで、



俺に、依存させた後に。




あぁ、本当に、


俺は先輩が、








…………………………



可愛い狩屋くんもいいですが、

初期の悪どい狩屋くんもいいですよね。


狩屋くんは思い通りに
ならないものがあったら

全身全霊をかけてとことん潰しそう。


テーマを頂いてから、

時間がかかって申し訳ございません!!


テーマのご提供ありがとうございました!!

















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