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01



…ルシアです
昨日、心にもないことをリドルに言ってしまった
誰にでも抱かれる女だなんて思ったことはない
昨日はただ少し苛立ってたんだ

俺だって欲がないわけじゃない

正直言うと抱きたい
それはもうものすごく
男なんだし溜まるもんも溜まるし

でも、抱けない理由がある
別に俺が病気だからとか、したくないとかではない

その理由は




「俺思うんだよ…」
「何を?」
「あのトム・リドルだぜ?女から嫌われて男子には猛アタックされてるリドル」
「あぁー…アルネルト大変だよな…男女一辺に敵にまわすようなもんだし」
「俺なら抱いて別れる」
「最低だな!でも別れる前にまわせよー」
「それもそうだな!アルネルトのおこぼれ待つかぁ」
「どうせアルネルトだって処理目的だろうしな…あんだけ逃げてたんだし」





リドルと俺の関係の噂

俺は今までリドルから逃げ回っていた
なのに女だとわかった瞬間から付き合い始めたわけだ
だからなのか、俺がリドルと付き合ってる理由は身体目的だという噂が男子生徒の間でちらほらと立っているのだ

まぁ、仕方ない事だとは思う
でも今ここで抱いたら…リドルは傷つくんじゃないかと考えてしまうわけで




『抱けねぇよ……』




せめて、俺だって愛してるって所を見せ付けて
変な噂を消してから抱きたいと思っているわけで

でもリドルはそんな事知らないから俺を誘ってくるし
俺だって溜まるし
しかも帰るのが遅れた理由だって"まわしてくれコール"のせいだ
毎日早くまわせって言われるし

そんなイライラが溜まって、ついあんな事を言ってしまった



『俺最低だな……あいつ、泣いてた…』



追いかけようとは思った
でも、できなかった

俺の頭の中には噂を消す二つの考えがあった
一つは知らしめることで、今俺がやってる事
もう一つは別れる事

俺と付き合ったからこんな噂が立ってしまったわけだ
つまりは俺と付き合わなければいいんじゃ?なんて考えてしまう
でも別れたら別れたで他の男に言い寄られてるところも見たくないわけで…

そんな事を考えてたら、追いかけられなかった




『距離を…置いたほうがいいのか…?』




恋愛はわからないことだらけだった
母は幸せな事だと言い、父は人生だと言った
俺にとっては難しいものだった

理論では解決できなくて
でも胸は痛んだり跳ねたりして
姿を見るだけでぽかぽかする

こんな気持ちを感じた事はなかった

それをくれたのはリドルだ
押して押して押し倒されて、そして俺は恋をした
もっと違う方法で会って
もっと違う形で付き合ってたなら、うまくいったのか?




『わかんねぇよ……』





―コンコン、




「おーい!ルシアーリドルちゃーん!食堂行こうぜ!」
『…リドルはいねぇけどな、……行くか』





俺が何悩んでも時間は過ぎるんだから








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