丁重にお断りします
はじめまして
俺はルシア・アルネルトと言います
ハッフルパフ生で、継承者です
成績は悪くなく寧ろ、首席です
まぁ、俺とスリザリン生の二人が同点だから、首席ではないのかな…?
そんなことは置いといて、実は俺には悩みがあります
実は俺には…
「ルシア−!!今日もイケメンだね抱いて!!」
ストーカーがいます
俺の考えが正しければ、1年前の出来事のせいだ
畜生、あのスリザリン生共め…ッ
1年前、俺が廊下を歩いていると声が聞こえてきた
その声は男で、何やら暴言を吐いているようだった
俺は、ハッフルパフの継承者ゆえに温厚な性格だ
でも何処かグリフィンドールの気質があるようで正義感が強い
組み分けの時も、グリフィンドールかハッフルパフかを選ばされたくらいだ
まぁ、そんなこんなでほってはおけなくて…
その声のする方へ脚を動かした
それが運のつきだったのかもしれない
声は空き教室からしていたようで、その暴言は段々とはっきりと聞こえてきた
「混血のくせにスリザリンだなんて…!」
「恥を知れ!成績がいいからって思い上がるなよ、この穢れた血!」
「お前なんか魔法使いの資格もないんだよッ!」
"穢れた血"
俺はこの言葉が嫌いだった
純血だと言われたって、過去にはマグルと交わった奴がいたかもしれないだろ
自分の家の過去を辿って、全てを見てもそれをいえるのか
それに、混血が穢れと言うのなら俺だって穢れじゃないか
おれはその教室へ脚を踏み入れた
『…何してるんです?』
「!!……ハッフルパフ…」
「これはこれは…毎年最下位のハッフルパフの継承者様じゃないか」
『そんな事聞いてないんですが…何しているんですかって聞いたんですよ』
中にはスリザリン寮の男子生徒が4人
3人の生徒はきっと俺より上級生で、その3人の生徒に囲まれていたのは多分俺と同い年であろう
だから混血だ穢れた血だって騒がしかったわけだ
「自分が継承者だからって粋がらないでくれない?」
「だいたい、髪の色が先祖に近いから血が濃いと騒がれるだなんて…ただ君の母が尻軽だっただけなんじゃないのか?」
「ハハッ!!それは笑えるな!」
「君も混血だろう?穢れた血」
「怪我したくなかったら早く逃げるんだな」
『…へぇ、俺より魔力がない先輩方に俺が負けるって?片腹痛いですね』
「……喧嘩売ってるのか」
『まさか!俺は買っただけです…よ!』
「なっ!?」
俺は言い終わる前に無言呪文で倒れさせた
そしてリーダーであろう生徒の背を踏み付ける
「ぐっ、!」
『粋がるなはこっちのセリフだ…まだ1年の俺には大した呪文は使えないとでも思った?残念、無言で呪文が放てるさ』
「や、めろ…っ!」
『ハァ?止めてくださいっしょ?…俺の親を侮辱したよな?そこの少年にも侮辱したよな?…俺、そういうの嫌いなんだよね、何ならその舌、もぎ取ってやろうか?』
「ヒッ、!」
俺は上級生の三人に気絶魔法をかけた
これでしばらくは起きないだろう
まったく…俺もなめられたものだよ
とっくに家で呪文は習ってるし、無言呪文も取得済み、アニメーガスは練習中だけど、パトローナスは完璧
そんな俺がこんな純血馬鹿共に負けるかっつの
「きみ、…誰?」
『…あぁ、俺?俺はルシア・ヘルガ・アルネルト』
「ぼくは、トム…トム・マールヴォロ・リドル」
『………マールヴォロ?どっかで聞いたな…ま、いっか』
「知ってるの?」
『いや、なんとなくでしか』
「そう…」
『あー…まぁ、うん…なんつーか』
「…?」
『混血とか、さ…マグルとか、あんま考えないほうがいい…皆動物で人間だ……じゃあな』
そういって俺は空き教室を出た
その次の日からだ
トムに求婚を迫られるようになったのは
「ねぇルシア!!僕と既成事実つくろう!!」
『あああああ!!こっちくんなぁぁあああああ!!!』
丁重にお断りします
(つか既成事実って何!?お前男だろ!!)
(へ?何言ってるんだい?できるよ)
(え?)
(え?)