Tattoo 06

全員、準備を整えて酒場を出る。
完全に外は暗くなり、月もない夜空が広がる。
○○を救出するにはうってつけの夜だ。
収容所はシリウスの仲間を捕まえたとあって、かなりの人数の海軍が集まっていた。

トワが思い切り遠くへ小さい爆弾を投げる。
「敵襲だ!」
「まだ近くにいる筈だ!探せ!」
見張りの海軍たちが持ち場を離れて犯人を捜し出す。
トワとハヤテが囮になって走り回る間、ソウシが音を立てずに一人一人落としていく。

一通り、入り口に集まった海軍を落とすか散らすかした頃、ナギがソウシに声をかける。
「ドクター、こっちは俺たちに任せて下さい」
ソウシは頷くと、シンに合図をして所内に突入した。

シンの銃は暗い収容所内でもその正確さを欠くことはなかったが、少しでも隠密に行動したい。
シンが物音を立てて、生じた隙に背後から近寄ったソウシが着実に見張りを静かにさせる。
華麗な連携は誰にも気付かれることなく二人を収容所の深部まで侵入させた。


小さな衝撃音が、○○のいる牢にも僅かに届く。
「…!」
その音にハッと顔を上げた○○の目の前には、赤々と光る焼きごてが近づいていた。

囚人…中でも海賊の刻印として入れられるそれは、アルファベットPの形をしている。
○○がメヘンディを入れた右手首は台に固定され、左手も柱に繋がった鎖で自由を奪われている。
「シリウスに女がいたとは知らなかったが…仲間なのだろう?」
何度も訊かれたその質問。
○○は一度も口を開かなかった。

「黙っているということは、肯定したも同然だ」
男は部下に目配せをする。
目の前の焼きごてが、○○の右手首に押し付けられた。

「あぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーっ!!!!!」
あまりの痛みに○○は収容所中に響きそうな叫び声を上げる。
ジンジンと痛む右手首を左手で押さえることも出来ず、○○は左の拳を血が滲むほど握り締めて耐えた。

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