Tattoo 04

出されたチャイを飲みながら、○○が少し袖をたくし上げてそのメヘンディを眺めていた時だった。
「おい、お前」
突然の声に○○が顔を上げると、そこには海軍の男が3人立っていた。

「あ…あの…」
○○がさっと袖を伸ばしてなんでしょう、と尋ねると、真ん中の男が勢いよく○○の右腕を掴んだ。
「……っ!」
痛みに声を上げる○○。
周囲の人間は何事かと眺めている。

男は腕を掴んだまま乱雑に袖を捲り上げると言った。
「お前、シリウス海賊団だな!」
「えっ…あっ…やだっ…!」
○○の抵抗も虚しく、2人の男にがっちりと脇を固められてしまう。
「仲間はどこだ」
冷たく尋ねる男に、○○は震えながらも知らない、と返した。

男は少し考えてから口を開く。
「大方その上着は仲間の物だろう。茶も2つ頼んだようだし…」
そう男が言うのと、買い物を終えたシンが異変に気付くのはほぼ同時だった。

(○○!)
思わずその名を叫びそうになるシンの姿にいち早く気付いた○○が、声を出してはいけないと言わんばかりに首を振る。
苦い顔でシンは、○○の左脇を固める男を撃った。

パァン!

その音で、先程から○○を問い詰めていた男がシンを見つけ追い始める。
「その女は牢に入れておけ!」
○○は隙をついて逃げようとするものの、右脇を固めていた男に後ろから羽交い締めにされてしまい動けない。
シンは何度か振り返りその弾を放ったが、人混みが邪魔をしてシンを追う男にも○○を固める男にもうまく当たらない。
「クソッ」
がっしりと抱えられ連行される○○に、シンは叫んだ。
「必ず助けに行く!」
シンの目に、不安そうながらもにっこりと笑う○○の姿が焼き付いた。

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