Tattoo 03

シンに連れられて、港町でメヘンディの店を訪れた○○。
ボディペインティングであるため、10日程度で消えてしまう。
最初は文句を言っていた○○だったが、シンの右手首のそれと同じデザインのメヘンディが完成すると嬉しそうに笑った。

そんな○○を見てシンは苦笑混じりに笑う。
○○の気持ちが分からない訳ではない。
ハヤテやトワだって、入団当時は刺青を入れられるようになるために必死だった。
シンは与えられた仕事をきちんとこなしていただけだったが、それでもリュウガから入れていいと許可が出た時は『自分が認められたのだ』と実感したものだ。
(俺が入れた時は、オヤジを苦しめるための第一歩だというのが大きかったがな…)
隣で無邪気に喜ぶ○○を見て、シンはどこか懐かしそうに目を細めた。

酒場でみんなと合流する前に、カフェに寄る。
席に着いて2人分のチャイを頼むと、シンは○○に言う。
「ちょっと待ってろ、腕に着けるものを買ってくる。さすがにそれを晒して歩く訳にもいかないからな」
とりあえずこれを着ていろ、と自分の上着を着せてから、シンは一人街へと消えていった。

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