行動 /




未来設定ボスヒメss





言ってみただけ、にしたくない言葉はたまにあるけれど、これはそんな、譲れない想いのひとつだ。柔らかい金髪を梳いて、彼女がこちらを振り向いたところで口を開く。けれどそれより先に、今日は月がキレーやな、満月と違う? と彼女が言うから仕様がなく俺は尤もらしい顔で頷いた。
「ん、満月だな」
「あんたと月見れんの、なんやしあわせやな」
微笑う、彼女の声が耳に馴染む。鼓膜が静かに幸福に浸る。なるほどこれがしあわせの形か、とやはり尤もらしく俺は首肯し、手袋越しに小さな手を握った。
ずっと続くといいな。赤い鼻を啜り上げながら俺がそう言うと、彼女は不思議そうにこちらを見上げた。何? と瞳の色で問われ、俺は小さく咳払いする。

「結婚すっか」

するりと零れ落ちた言葉に冬の満月が揺れた。




しあわせに転覆する





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1/27は求婚の日でしかも満月と聞いて!間に合った、かな?












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