同調 /




リョウハルss




地球規模で考えれば、あるいはもっと広げて宇宙規模で考えれば、人間の一生なんて些細な偶然のようなもので、偉人の功績さえもしかしたら何の意味も成さないのかもしれない。でもそんな、コンマ数秒さえも行き急ぐ人間の些細でちっぽけで、儚い人生を、ほんの僅かでも助けられたらいいと、そう、思うんだよ。
俺が早口にそう言うと、青臭いね、と彼女は笑う。でも、いいと思うよ、すきだよ、そういうところ、なんて、優しい声で俺の頭を撫でるものだから、年甲斐もなく泣きそうになった。俺だってすきだよ、と小さな小さな声で呟くと、近くで見えていた、彼女の長い睫毛が微かに震えた。聞こえたのかと訊ねると、彼女はただ、ふふっと微笑った。
照れ臭くて、けれどどうしようもなく愛しくて、彼女を強く抱き締めた。その一瞬が永遠になればいいと願ったのは俺のワガママで、いつか来る終焉までもずっと一緒にいられればいいと、幼い気持ちで祈りをいだいた。




夢幻泡影
  無限抱擁












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