動物 /




ヒメコss





いつか見た夢のかたち。不安定で不恰好で今にも崩れてしまいそうで、わたしの意識をすり抜けて深い深い記憶の深層に沈んでいってしまう。内容も色みも登場人物も覚えてはいないけれど、目が覚めたときわたしは泣いていた。耳の奥が冷たくて頭の芯がぼんやりしていて心の隅には抉られたような痛みがあって、わたしは枕に顔をうずめた。
これがアタシの深層心理ですか？ なんや暗くて厭んなりますね。フロイトさん、お願いやから分析せんといて下さいね。
アイツは他人の見た夢の話が嫌いだから、多分聞いてくれないだろう。だけどもし聞いてくれたらわたしの心は軽くなるだろうな。しかしこんな暗いわたしのことを知っても、彼はまだあの阿呆みたいな笑顔を向けてくれるだろうか。
そうしてわたしは今日も、抱え込んだままの夢とともに彼の横顔を窺うのだ。話してみろよ。そんな言葉を待っている。




不確定的実存の獏





-----
悪夢ちゃん面白いよね、っていう(違う)

……ボスヒメ？







↑ ↓