変動 /




ボスヒメss





秋の長雨は夏の色をあっという間に塗り替えていく。風も空も空気も、町は秋に染まっていった。
そろそろ肉まんとか食いたいな、とコンビニを横目で見つつ考えていると、寒なったなーと隣でヒメコが息を吐く。さすがに白くなって立ち上ることはなかったけれど、やんわりとした冷たさを纏った空気中に吐息は不自然に溶け込んだ。
金髪の隙間から覗く小さな耳が、やけに白い。夏を呑み込んだ季節の風は時折目を瞠るほど冷たくて、肌の色までも変えていくのかと俺は驚くような気持ちで彼女を見た。
「……寒い、な」
「うん」
「………………あー、」
「なんや?」
訝しげに振り向いたヒメコに向かって、ん、と右手を躊躇いがちに差し出す。彼女はやはり一瞬躊躇ったように右手を出しかけた後、ああ違うわとゆっくり左手を伸ばしてそっと握った。お互いの体温は高いのか低いのかよくわからなくて、ただ、触れた部分がこそばゆい。腹から沸き上がるようなむず痒さに眉を寄せると、ビミョーな顔やなと笑われた。うるせーよ顔赤いくせに。
手を繋ぐにはちょうどええ季節やな。風に乗って聞こえた彼女の呟きに、俺は黙って頷いた。
追い掛ける隙もなく、真っ赤な日が暮れようとしていた。




冬に至る汀
(足早に去っていくこの季節が、ぼくたちはこんなにもいとしい)





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書けないいいい(((∴)))
と逸る気持ちを抑え、どうにか感覚を呼び戻しております。元々下手だからあまりわかりませんね!!












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