揺動 /




スイ澪ss





日射しは苦手なの、と言えば大抵の場合、ああ、闇とか夜とか好きそう、と納得される。それはわたしの見た目や性格がそうさせるのだと解ってはいるのだけれど、そしてそれはあながち間違っているわけでもないのだけれど、なんとも複雑な思いにさせた。だから、でも朝は好きなのよとは言い出せず、それきり黙りこくって地面を見る。自分の影は、他人のものよりも闇が濃い気がした。


図書館の窓から差し込む朝陽に目を細め、カーテンの端を軽く摘まむ。光を遮断してしまいたい気もしたけれど、朝の空気を断ち切ってしまうようで躊躇われた。
胸に本を抱えたまま逡巡していると、かたりと背後で物音がした。びくりと肩を震わせて(だって朝から幽霊が出ることも考えられるもの)ゆっくり振り返ると、そこにいたのはスイッチ君だった。あら、と目を瞬かせると、彼はカーテンを摘まむわたしの指先に視線を向け、首を傾ぐ。閉めないのか、と無言で問われわたしは小さく口を開いた。
「……朝の空気は、嫌いじゃないの」
やや躊躇いを含んだ言葉に、今度はスイッチ君の方が目を瞬かせた。そうして彼はひっそりと笑んで(少なくともわたしにはそう見えた)、長い指で以て言葉を紡ぐ。
「俺もだ」
「…………、そう、」
笑わないのね、と口先をついて出た質問に彼は、まぁ確かに似合わないと思うが、とキーボードに指を滑らせた。
「別に、笑うようなことでもない」
秋の柔らかい日差しが、彼の横顔を照らす。白みを帯びた光を受けた眼鏡の奥の瞳の色はわからなくて、けれどきっと澄んだ黒色をしているのだろうと思った。
窓を細く開けて、朝の空気を少しずつ吸い込む。ふと目線を落とすと、床には二つの影が似た色をして静かに光の中に佇んでいた。




白い影のゆりかご





-----
うがが、全然文が書けません><
リハビリにもならんかった!!!












人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -