同量 /




ボスヒメss




アイス食べたい。蒸しかえる部室に耐えかねて、どちらからともなくそんな言葉が漏れた。じゃあアイス買って帰るか、という運びになり、茹だる前に二人で部室をあとにした。
学校からコンビニに向かう道中、ホワイトサワーか抹茶ラテか散々言い争ったが結局、店内に置いてあったのはチョココーヒー味だけだった。期間限定。そんな言葉を思い出し、二人は顔を見合わせて苦笑した。
業務用のクーラーボックスからチョココーヒーの袋を一つだけ取り出し、レジへと進む。レジ袋要りません、とハモるように告げた後、きっかり半分ずつお金を出しあった。店員が少し笑ったことに多少の羞恥心を感じつつ、二人で外に出る。やはり店内よりは暑かったけれど、夕方の風は涼しさを含んでいた。
店の前でアイスの袋を開けて、くっついていた容器を二つに割る。ぱき、という音が小気味良い。

「ん、」
「どーも」

差し出されたアイスを受け取ると、ふと、夏のにおいがした。




どうぞ、パピコ
(夏の始まりをきみと半分こ。)












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