拍動 /




?→ヒメ→? ss




アタシは誰のものでもないし、誰のものにもならへん。

力強く告げられたその言葉は多分、彼女の願望だったのだと思う。誰かのものでないと思いたいし、誰のものにもなりたくない――頭の中で勝手にそんな翻訳をして、俺は曖昧に頷いた。ああ、そうか、と。
そんな俺を眺め眇め、彼女は少しだけ微笑う。せやからアンタのものにもなれへんよ――と言われた気がして、気持ちはすこぶる落ち込んだ。
それでも手を伸ばしたのは、彼女があまりにも泣きそうな顔をしていたからだ。震えそうな手で彼女の身体を抱き締めると、緩やかに体温が伝わってきた。しかしその温度はどこか遠くて、しめやかで、俺は目を細める。固く結んでいたはずの口からは彼女の名前が零れた。

誰のものにもなりたくない――そうは言っても、彼女の心は既にアイツのもので、そしてその想いは多分、恐らく、きっと、いや絶対、一生届かない。
「……泣けばいいのに」
俺のその言葉ははたして、彼女に向けたものだったのか、自分に向けたものだったのか。
彼女は身動ぎもせず、ただ呼吸を繰り返している。触れた温もりは相変わらず曖昧で、あたたかいのにつめたかった。
多分、恐らく、きっと、いや必ず、彼女の想いは一生アイツのものなのだろう。




乾いた拍動を聞いた
(きみとぼくとかれの漸近線。)





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20分クオリティ\(^o^)/

多分、
キリ→ヒメ→ボスとか
ボス→ヒメ→キリとか
スイ→ヒメ→ボスとか
ボス→ヒメ→椿とか
ボス→ヒメ→スイとか、その辺です。お好きなのんで!!
あれ?藤崎不憫率が高いな?(^p^)











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