空洞 /




ボスヒメss
捏造大学生設定





四月。
段ボールの積み重なった部屋の真ん中で染みの無い天井を見上げていると、不意に胸の真ん中に風が吹いた。風の音が聞こえる。けれどそれは心地の好いものではなくて、乾いた、冷たい音だった。
空っぽや。
胸の真ん中が、何も無い。元々そこには何があったのだろう。何で栓をすれば良いのだろう。
手を伸ばした先には携帯電話。電話、というくらいなのだから通話が本分だろうに、最近はアプリやら何やらが増えすぎた。着飾ってもどこか空っぽ。わたしとおんなじ。
呼び出したのはやはり彼のデータで、名前を見るだけでほっとする。通話ボタンを押せば間もなく彼の声が聞こえてきた。そうすると穴の空いた部分は、みるみるうちに埋められる。

「一人暮らし一日目から俺に電話って、おまえ、これから先大丈夫かよ」
「心配ないて。毎日あんたに電話するから大丈夫や」
「どんだけ俺のこと好きなんだよ」
「そ、そんなん違うわ!!」




ガソリン満タンでお願いします。
(いつだってきみに満たされていたい。)






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最後、コンセプトがずれた……。

季節外れですみません。













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