蠕動 /




ボスヒメss
※ひたすらべろちゅーの話











「舌、出して」
ボッスンの部屋。彼に促されたわたしはちょっと眉をひそめて、舌? と聞き返す。舌、と彼は頷き、長い指先でわたしのくちびるに触れた。
「べー、って」
「…………べぇ?」
ちろりと舌を出して上目で彼を見上げれば、ボッスンはほんのりと頬を赤らめて、うわと声に出さずくちびるだけで呟く。うわ、て何やねんと非難しようとすると、ボッスンの顔がゆっくりと近づいてきた。
あ、と思った瞬間、彼の乾いたくちびるが、わたしの舌に降りてくる。温度は高くなくて、むしろ冷たい。ひあ、と喉の奥で悲鳴を上げる。思わず身を引こうとしたけれど、手を掴まれて手繰り寄せるように引き戻された。
薄く開いたボッスンの口から舌が伸び、わたしのそれを舐め上げる。ざらざらした感触に、背筋がぞくりと震えた。知らずに熱い吐息が零れると、ボッスンはそれすら呑み込むようにわたしのくちびるを覆った。自然と目蓋が降りて、ボッスンの背中に手を回す。
「ん、」
「あ、んあ、」
触れていただけの舌が、口内に這入ってくる。そしてわたしの右の内頬をゆっくりと辿り、微かな水音を響かせた。そのまま何度か内頬を舐められ、そのうち舌先が口蓋に触れる。擽るかのような感触が焦れったくて身を捩ると、不意に舌と舌が絡んだ。
「む、んぅ、」
後頭部に添えられた手が、わたしの髪を乱す。指先に灯る熱が伝わってきて、どこか胸の柔い部分が、きゅうと締め付けられる。
「ふ、ぁ、―――ぼ、すん、」
「ん、」
短い息継ぎのタイミングで器用に、ひめ、と甘く低く熱を孕んだ声で名前を呼ばれてしまえばもう堪らなく愛しくて、抱き締める腕に力を込める。至近距離で、そんなん、ズルい。
再び繋がった舌が互いの熱を探りあって、どちらのものとももう判らない唾液に濡れる。その行為はただ甘くて、段々舌が痺れてくるのも構わず彼の熱に浸る。千切れそうな呼吸の中で、狂おしいほどの快楽に脳の奥が白く霞んだ。
こうしていると、口内もやはり粘膜なのだと知る。繋がればこんなにも快楽を拾ってしまう。
そんなことを考えていたら自然とその先の行為を想像してしまい、お腹の下辺りが甘く疼いた。ぐちゅ、という水音が鼓膜を揺らす度、人には言えないようなところが、感じてしまってあつくなる。
それを伝えるように彼の薄いくちびるを舌先でぺろりと舐めれば、ボッスンはゆっくり離れて意地悪く笑った。
「シますか、ヒメ姉様」
「………………、する」
そうしてベッドに倒れ込んだわたしたちは、再びくちびるを重ねた。




蠕動する舌
(舐めて絡んでまぐわって)






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さすがにべろちゅーしているだけの話はmainに上げられないな、と思いまして(^^)

藤崎はこういうの、一回目は下手だったり何かしら失敗しそうだけど、二回目以降はとんでもなく巧いと信じています。
なんという同人設定^^^^












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