起動 /




ヒメ→ボスss



どうしてわたしはこんなにも恋愛するのが下手なんだろう。別に、恋愛をしたくないわけじゃない。憧れだってある。それでも空回りしてテンパって勝手に落ち込んで、どこにも行けずにただ悩みこむ。
恋愛の仕方って、皆どこで覚えていくのだろう。十七年間生きてきて、わたしはいまだにそれがわからない。誰かが教えてくれるのか。自分で知っていくものなのか。それさえもわからない。
湯船に沈んで思い出すのは、彼と今日話したこととか彼がどんなことをしただとか、そんなことばかりで、ああもう嫌やな、と思う。わたしはきっと、上手く恋愛できるようには造られていないに違いない。この気持ちを、咀嚼も処理もできていない。

「面倒くさいことばっかりや、」

この気持ちを知る前は、もっと楽しく生きていた気がする。もっと気軽に彼と話せていたように思える。もっと上手く立ち回れていたと感じる。
入浴剤で染まった浴槽の湯に映る自分の顔を見るのが嫌で、天井に目線を移す。湯気が視界を遮って、見たこともない天国の光景を思い浮かべさせた。




不器用なわたしの恋愛スキルは起動しないまま。
(こんなにも自分がよわいなんて、知らなかった。)











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