連動 /




ボスヒメss





触れて絡んで交わって、1、たす、1、は、限りなく1に近い2になる。わたしたちがひとつになれないなんてそんなそれこそ、非、現実的だ。
ぶつけあった額も繋がれた手も重なった唇も全部、それはわたしのものであって、しかし彼のものでもある。
解いて離れて遠退くと、わたしの細胞という細胞は彼を求めて疼く。ひとつだったものがふたつに分かれたんだから、そうなるのは当然だ。

あったかいなぁ。
抱き締められた体温にそう溢すと、彼はわたしの耳元で照れくさそうに笑った。ばぁか、というその呟きさえ甘く響いて、徐々にまともな思考が意識の下に沈んでいく。
背中に手を回して肩甲骨を辿って、柔らかく背筋を押して、指先で彼のすべてを確かめる。
彼がくすぐったそうに身を捩らせるから、なんだかわたしもくすぐったくなって、そうしてなぜか、泣きたくなった。




連動する一対の心身
(つまりわたしはアダムの肋骨なのだ。)





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リクエストを書く前に甘い話を練習しようとしたけれど、全っ然甘くならなかった件。










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