正解を求めて/ヴィクトル・リヒト(炎炎ノ消防隊)
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 彼女について分からないことが多い。どれだけ観察しても、どれだけ分析しても「正解」が見えてこない。ここは直接、本人に聞くしかないか……。
「あのー、質問してもいいですか?」
「はい。何なりと!」
「ズバリ聞きますが、僕のこと──どう思ってます?」
 僕からの質問に硬直。瞬きが増えた。緊張してるのか、驚いたのか。……あれ? なぜ、僕から顔を背けるんだ?
「あの、リヒトさん。……すごく顔が近いです」
「うん。僕は今、君を観察しているからね。もっと近くで見れば、君の気持ちが見えるかもしれない」
「ち、近づいても気持ちは見えませんし、リヒトさんには見せませんっ!」
 僕を押し退けて彼女は逃げ出した。
「……あーぁ、また失敗しちゃった」
 本当は君の気持ち以上に自分の胸の高鳴りが何なのか知りたいだけなんだけど。



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