俺は先ず、インテリ副会長に菓子を渡す事にした。
なんとなく、冷たい印象の銀縁眼鏡が、俺様オーラ全開の会長より怖い気がしたからだ。
この人はきっと、生徒会の裏ボスに違いない。
だったらその、裏ボスから攻める!
そしたら後が、楽だからね!



「……一体なんのつもりですか?」

「こ、これは、俺が焼いた、ケーキです。お、口に合うか分かりませんが、よ、良かったら是非!!」



カミカミな言葉と共に、差し出したケーキは副会長の手で、パシンッと床へ叩き落とされた。



「お口に合わないのは分かりきっていますので遠慮させて頂きます。」



クイッと眼鏡を押し上げ、表情一つ変えない副会長は仰った。
ビュオオ……――と教室内に冷えた空気が流れ込む。
ただのインテリ副会長と思いきや、彼は生徒会の裏ボス兼、歩くコールドスプレーだった。



己の力を過信してはいけない……
俺はその日、ちょっぴり泣いた。



以来、俺は生徒会から全力で距離を置き、クラスメートからは可哀想な編入生と位置付けをされる。



ああ、裏の人間恐ろしや!!
腹黒副会長恐ろしや!!



×END



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