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始まりの日


カロス地方

コースト、セントラル、マウンテンの3つに分かれた地域をまとめて『カロス地方』といわれており、「カロス」という名の通り個々の街並みは美しく、解明されていない不思議も数多く存在する。城などの建造物が多数あり、3000年の歴史が語られる地方。



「だってさ、リザードン。
シンオウにはシンオウ神話があるけど3000年はすごいよね〜

……ナナカマド博士からもらったこのリングがカロス地方のものらしいんだけどその長い歴史となにか関係あるのかな」

左手に不思議な腕輪。その中心に輝く、見たこともない不思議な石。
石といえば真っ先にあの石マニアのチャンピオンを思い浮かべるが、あの石オタクに教えてと聞いて素直に答えてくれた試しがないため、いい機会だし旅をメインに自分の目や耳でこのリングことを調べにいくことにした。

ただいまの時刻は深夜。船の甲板には自分とリザードンの一人と一匹のみ。
「みんながいなくて寂しい?リザードン」


そう、リザードン以外の子はみんな研究所でお留守番だ。心機一転ということでリザードンとまた一から新しい地方を旅したいと思ったのだが、完全に私の独断である。
リザードンはハンナをチラ見して、水平線へと目線を向けた。


──水平線に近い空が白んできている。
ハンナもリザードンと同じように目線をやれば、煌めく海面に朝日が覗いた。眩しさに目を細めれば、朝日の眩しさに紛れて水平線に現れた新たな地方。


夜は明けた。カロス地方は目前。
高鳴る期待に上がる口角。
不安感は隣の相棒が打ち消した。


「また新しい景色を共にしよう、リザードン」


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