「さて、今日は人の振り向かせ方について議案していきたいと思います」

「･･･何だそれは」

「聞いてよ〜！クルルが最近冷たいんでありますよぉ！」

「またですかぁ？」

「確かに今日は会議にもいないでござるな･･･。隊長殿が変な事をしたのではござらんか？」

「してないでありますよ！最近ずっと傍にいただけだもん。あ、抑え切れなくて押し倒したりしたけど」

「それだろ」

「それですよぉ」

「隊長殿･･･」

「ゲロッ！？何でそんな冷たい目線送ってくんの！？」

「一人でいるのが好きそうなクルル先輩にずっとくっついていて、しかも押し倒すなんて有り得ないですよ」

「そりゃ、あいつもキレるだろうな」

「えー！何でー！？我輩クルルと一緒にいたいだけなのに！」

「隊長殿の愛情表情はそうかもしれぬが、曹長殿は違うという事でござる。曹長殿は元々人と接しない方でござろう？そんなに毎日くっついていたら、曹長殿も一人になりたくもなるでござるよ」

「むー･･･、じゃあどうすればいいんでありますか？」

「とりあえず先輩の機嫌が直るまで近付かない方がいいんじゃないですか〜？」

「それが賢明だろう。あとは、･･･そうだな、接し方を直せ」

「直せって何さ！我輩何時もクルルへの気持ちを表現しているだけなのにぃ！」

「だからそれでクルルが怒っているのだろう！少しは我慢を覚えろ！」

「そうでごさるよ、隊長殿。もう少し曹長殿の気持ちを察してあげなくては」

「･･････だって好きなんだし、くっつきたくなるじゃん」

「軍曹さん、それじゃあ子供みたいですよぉ。もっと支えてあげなきゃ」

「そうだ、お前は甘えすぎなんだ。何かあったらすぐクルルに助けを求めおって。もっと隊長らしく頼れる大人にならんか！」

「･･･そうでござるな。曹長殿は人に弱さを見せない所がある故、恋人である隊長殿がしっかりしてフォローしなくては」

「･･････君達言うね･･･」

「だから軍曹さん。しっかりとしてて頼られる人にならなくちゃ駄目ですよぅ。じゃないと睦実さんにクルル先輩取られちゃいますよ？」

「確かに、曹長殿は睦実殿には相談を持ち掛けているでござるからなぁ･･･」

「ああ、以前クルルが睦実と話しているのを見かけたが、見たことのない程の笑顔だったな」

「何ですとぉお！！クルルと睦実殿がそんな仲だったなんて、我輩信じられないであります！」

「いや、どんな仲だ」

「我輩クルルに相談された事なんてないのにぃ！睦実殿狡いであります！」

「狡いとかの問題じゃない気がしますぅ」

「キーッ！我輩どうしたら！？」

「落ち着くでござるよ、隊長殿！とりあえず曹長殿の気持ちを考えて行動してみたらどうでござるか？」

「クルルの気持ち･･･」

「そう、相手の事を思いやるのも愛でござろう？曹長殿がその時してほしい事は何かとか、無理している時上手く言って休ませるとか、そういう事をしたら如何でござろう」

「思いやり･･･」

「ついでに、一般的な振り向かせ方は好きな物をあげるとか、好きな事を一緒にするとか良く言いますよねぇ」

「好きな事･･･」

「何にしても、お前は大人になれ」

「･･･何か全否定された気がするであります･･･。だけどクルルに相談されたいし頼られたいから、我輩頼れる大人になってみせるであります！」

「理由は不純過ぎるけど、そのいきです軍曹さん！」

「明日から！！」

「･･････は？」

「いや、だってさ？頼れる大人になったらクルルとくっついたり出来なくなっちゃうんでしょ？だったら今日目一杯ラブラブして、明日から頼れる大人を目指そうと思って」

「えっ･･･と、隊長殿･･･？話し聞いてたでござるか･･･？」

「んもーバッチリ聞いてたでありますよ、マジありがとう！と、いう事で我輩クルルとイチャコラしてくるんで適当に地球侵略の会議でもしといてー！じゃあよろしくぅ！」

「･･･行っちゃいましたね･･･」

「ああ、行ったな」

「クルル先輩大丈夫ですかねぇ。ストレスで胃に穴が開かなければいいんですけど」

「まあ、あれがケロロくんの愛情表情だからね。クルルくんも分かってるし、受け入れてるから大丈夫だと思うけど･･･」

「当分冷たくされるな」

「こっちにとばっちりがくるのはゴメンですよぅ」

「今までの俺達の提案は全て無駄になったな･･･」

「しょうがない･･･かな」

「ホント、大人になってほしいですぅ」







戀挨レッスン



最良の方法を考えたけど、結局はいつも通り。