バキリ、バキリと無機質な音が鳴り響く。音源を辿ると、そこには床に座っている黄色が、つまらなそうにデスクトップを手で解体していた。
力任せに箱を開き、中にある細かい部品をむしり取る。黄色の周りには無残に分解された物が散らばっていた。
バキリ、パキリと音が鳴り響くのを、緑はただ眺めていた。
話し掛けてはいけない気さえするのだ。だから、緑はただ不思議に解体されていく箱を眺める。
パキリ、ガキリと音を立てながら、どんどん箱は小さくなっていって、最終的に意味を持たない物体になった。
黄色はそれにもはや興味をなくしたのか、乱暴に退け、今度は近くにあったディスプレイに手を伸ばす。

「何してるの?」

その作業をしていない時に、問い掛けた。黄色は緑に目を向けず、口元を歪め答える。

「暇潰し」

「・・・暇潰しでありますか」

ガキリ、ベキリとまた音が響き始める。
ディスプレイであった物が、ただの鉄屑に変わっていく過程はやはり歪だった。

「楽しい?」

「いんや」

そう言いながらも、黄色は笑って解体していく。
何で解体なんてしているのかとか、壊しちゃっても大丈夫なのかとか、聞きたい事はたくさんあったが、緑は何も言わずに「じゃあさ」と違う言葉を口にした。

「それつまんないんでしょ?なら、我輩と一緒に遊ばない?」

その言葉に、黄色は「はぁ?」と訝しげな表情で顔を上げた。対照的に、緑は満面の笑みを浮かべる。

「もともと我輩クルルと遊ぼうと思って来たんだし。それバラバラにするんだったら、ガンプラの部品バラバラにして、組み立てた方が楽しいじゃん?クルルがバラバラにして、我輩が組み立てる。これぞ2人で1つ、協同製作!って事でどう?」

我輩、ナイスアイディア!と自画自賛している緑に、黄色は信じられない物を見るように目を瞬かせた。いつの間にか、音が止んでいる。
そんな黄色に気付いているのか分からないが、緑が「ねぇ、クルル。そうしよう!」と、嬉しそうに声を上げた。

「壊すなら、ついでに作れる方がいいじゃん。って事で、ほら立って!」

黄色の意志も聞かず、緑は黄色を立ち上がらせた。そのまま黄色の手を掴んで歩き出す。散らばった中身を踏まない様に気をつけながら、黄色は呆然と緑について行った。

「・・・隊長、何処に行くんだ?」

「我輩の部屋に決まってるでしょ」

緑は笑いながら、黄色の疑問をあっさりと答える。分かっていた答えに、黄色は息を吐いた。
頭の片隅に、先程の緑の言葉が思い出される。
緑に引っ張られたままラボの入口を跨がった所で、ふと後ろを振り返ると鉄屑が散乱と転がっていた。
それが妙に無色で、意味のない物の様に思える。
壊す事で作れる物もあるんだなぁ、と感慨深く考えて、黄色は緑の背に目を向けた。
何作ろうか、と弾んだ声が、前から聞こえた。






埣犂エイド



二人で作ろう。



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