緑「最近さ、よく思う事があるんでありますよ」
夏「はぁ、何?」
緑「アニメの世界に行きたいなと」
夏「・・・いきなり何言ってんのよ」
緑「いやさ、我輩ガンダム大好きじゃないでありますか」
夏「うん、そうね」
緑「好きだから当然よく観るんでありますよ」
夏「家事をサボってまで観てるわね」
緑「でね、観ながらふと思う訳でありますよ」
夏「うん」
緑「あ、我輩もうガンダムの世界に行けるな、と」
夏「・・・・・・ノイローゼなんじゃないの、あんた」
緑「違うんでありますよ!よく考えて、夏美殿。我輩ファーストから全部観続けてるじゃないですか」
夏「うん、そうね」
緑「で、ストーリーもさることながら、ガンダムの戦い方ももう結構頭に入っている訳であります」
夏「うん」
緑「主人公たちの操縦テクもよく観てるんであります」
夏「うん」
緑「あ、これ我輩がガンダム操縦すべきだなって思いません?」
夏「まずアニメを観てその考えに飛ぶ意味が分からないわ」
緑「何ででありますか!だってこんだけガンダムを知り尽くしている我輩がガンダムを操縦したら無敵でありますよ!ガンダムに飛び乗ってから取説なしでザクを倒して黒い三連星を華麗に倒してマチルダさんのハートをゲットして、セイラさんも攻略してララァも死なせない!最高じゃないか!」
夏「最後の方ほとんど女関係じゃない!」
緑「だからほら、我輩はそろそろガンダムの世界に行かないと」
夏「だからじゃないわよ!それにアニメの世界になんか行ける訳ないじゃない!」
緑「・・・・・・え?」
夏「何でそんなにびっくりしてるの?私が驚くわよ!」
緑「いやいやいや、・・・・・・え?」
夏「何よ」
緑「な、夏美殿、何を馬鹿な事を言っているんでありますか?」
夏「・・・え?」
緑「我輩たちもアニメじゃないでありますか」
夏「そうだけど、ガンダムとは違うじゃない」
緑「違う?同じアニメでありますよ?違いなんかないであります!夏美殿にとってガンダムはその程度のものであったんありますか!違う作品だからといって諦めてしまう程度のものでありますか!夏美殿にとってガンダムって何でありますか!」
夏「アニメ!」
緑「・・・あ、アニメ、だと?」
夏「そうよ、ただのアニメ。それ以上でもそれ以下でもないわ」
緑「・・・我輩、夏美殿にはがっかりしたであります。夏美殿なら分かってくれていると思ったのに」
夏「ちょ、何でそんなに落ち込んでんのよ」
緑「もういいんであります。もう誰も信じられない、我輩は他の所に行くしかないんであります。そう、ガンダムの世界へ!」
夏「もういい加減にしてよ!」
緑「夏美殿は分かっていない!」
夏「何が?」
緑「我輩たちとガンダムは同じアニメ会社なんでありますよ!」
夏「だから?」
緑「この事実は、我輩がガンダムの世界に行けるという証拠!」
夏「違うと思うわよ」
緑「それにガンダムは我輩たちのアニメにもしょっちゅう出ている」
夏「主役のあんたが熱狂的に好きだからね」
緑「ならば逆も可能なはず!」
夏「パロディが本家に出ようなんて傲りがすぎるわよ!じゃなくて、無理だって言ってんのよ、ガンダムの世界に行くのは!」
緑「無理なんかじゃない!ララァが我輩を待っているんだ!」
夏「はあ?誰も待ってないわよあんたなんか!」
緑「我輩は信じないぞ!我輩はガンダムの世界に行けるんだ!」
夏「ええー、ちょっと聞いてんの?」
緑「だから夏美殿!ガンダムの世界に行った時に困らないようにシュミレーションをするであります!」
夏「何で私の話聞かずにこんなグイグイ進めんのよ、こいつ」
緑「だからまずナレーションやってくれます?」
夏「分からないけど!?」
緑「・・・・・・え?」
夏「いや、ナレーションなんて分からないけども!」
緑「マジでありますか!?夏美殿マジでありますか!?あの伝説的なアニメの冒頭のナレーションが分からない!?・・・ないわー!」
夏「喧嘩売ってんのあんた!」
緑「売ってはないけど、一般常識ですよ?ないわー!」
夏「うるさい!」
緑「んもお、しょうがないでありますなぁ、我輩が教えるから覚えてくださいよー?」
夏「・・・うん、まあ、正直どうでもいいけど、あんたがうるさいから付き合うわ」
緑「じゃあ言うから覚えて下さいね?」
夏「うん」
緑「『人類が増えすぎた人口を宇宙に移民させ るようになって、既に半世紀が過ぎていた。地球の周りの巨大な人工都市は人類の第二の故郷となり、人々はそこで子を産み、 育て、そして死んでいった。宇宙世紀0079、地球から最も遠い宇宙都市サイド3はジオン公国を名乗り、地球連邦政府に独立戦争を挑んできた。この一ヶ月あまりの戦いで、ジオン公国と連邦軍は総人口の半分を死に至らしめた。人々はみずからの行為に恐怖した。戦争は膠着状態に入り、八ヶ月あまりが過ぎた』・・・はい、これであります」
夏「長いわ!何一人で長々暗唱してんのよ!」
緑「これを夏美殿に語って頂くと」
夏「無理に決まってるでしょ!これが一般常識とかどんな世界よ!」
緑「ガンダムの世界だ!」
夏「うるさいわ!何上手く言ってやったみたいな顔してんのよ腹が立つ!」
緑「えー、じゃあ夏美殿言えないのー?」
夏「言えないって言ってるじゃない!」
緑「もうしょうがないなぁ。ナレーション飛ばして我輩がハロを整備している所から始めますよ」
夏「そこから!?せめてガンダムに乗る所から始めなさいよ!」
緑「夏美殿、何を言っているんでありますか?アムロはそこから始まったのに、何故我輩はガンダムに乗る所から始めるんですか?そんなのおかしいじゃないか」
夏「・・・口調が気持ち悪いわよ、あんた。分かったわよ、そこまで言うならそっから始めなさい」
緑「ヤフー!じゃあフラウ・ボゥを夏美殿よろしくぅ!」
夏「知らないわよ?」
緑「・・・・・・え?」
夏「え?じゃなくて、知らないわよフラウ・ボゥの台詞なんか」
緑「一般常識でありますよ?」
夏「だからどこの世界のよ」
緑「ガンダムの世界でありますよぉ!」
夏「やっぱりそれなの!?しんどいわ私が!」
緑「全然駄目じゃないですか夏美殿!もういいであります、我輩が一人でやりますから!」
夏「え、何で私怒られてんの?」
緑「夏美殿ちゃんと見ててよ!」
夏「あー、はいはい」
緑「アムロの家に訪れるフラウ・ボゥ。『アムロ?アムロ?まあ、まだ食べてないのね。・・・アムロ?』アムロを見つけるフラウ。『こんな事だと思ったわ。ちゃんと朝食を取らないと体の為にはよくないのよ』フラウをスルーするアムロとハロ。『ハロ、アムロ、ハロ、アムロ』『ハロ、今日も元気だね』」
夏「ちょっと待って。フラウ・ボゥの扱い酷くない?」
緑「え、そうでありますか?」
夏「スルーするって、聞こえてなかったとか他にも言い方あるでしょ。スルーってあんた可哀想じゃないフラウ・ボゥが」
緑「いいんでありますよ、フラウ・ボゥだから」
夏「どういう意味よ!そしてその解説的なナレーションいる!?」
緑「必要でしょ、場面をより明確に知ってもらう為には!」
夏「苛つくのよその解説!」
緑「で、何だかんだあって」
夏「スルー!?」
緑「サイド7にジオン軍が襲撃に来ます」
夏「え!?今まで冒頭のナレーションとか細かくやってたのにいきなりジオン軍襲撃!?飛ばしすぎでしょ!」
緑「『走れフラウ・ボゥ!走れ・・・フラウ・・・』ここでフラウ・ボゥが転ぶ。フラウが起き上がるのをアムロは見る。『そうだ・・・フラウ・ボゥ・・・いいぞ・・・』」
夏「あ、もう始まってんのね」
緑「で、ガンダムを見つけて乗り込み動かします」
夏「もう!?」
緑「『こいつ・・・動くぞ!』なんて言いませんからね、我輩はすぐ動かせられますから」
夏「あぁ、言ってたわね」
緑「『すご・・・い・・・!5倍以上のエネルギーゲインがある・・・!』も言わないからね!『こちとら5倍以上のエネルギーゲインがあるんだよぉ!』って言いますから我輩は!」
夏「エヴァみたいになってるじゃない」
緑「『立ってくれ・・・立てよ!』とかも言わないからね!だってもう立ってるから!」
夏「鬱陶しい!いちいちいいのよ、自分ならどう言うかは!」
緑「シャアとか一撃で倒してララァを手に入れるからね!」
夏「結局女かよ!じゃなくて、無理だって言ってるでしょ!」
緑「・・・・・・え?」
夏「だからガンダムの世界になんて行けないって言ってるの!」
緑「え、今言う?こんなに我輩が熱く語った後に言っちゃう?」
夏「私は最初から言ってたわよ。人の話びた一聞かなかったのはあんたじゃない」
緑「え?え?何?我輩一人に恥かかせる感じ?」
夏「そういう訳じゃないけど・・・」
緑「こんなに我輩一生懸命語って夏美殿にナレーションまでレクチャーしたのに?」
夏「いや、あんたが勝手に熱く語って無理やりナレーション教えたんじゃない」
緑「そういう感じ?恩を仇で返されるってこの事であります!」
夏「恩もないし、むしろ私がありがた迷惑されてたからね」
緑「こんな仕打ち耐えられないであります。もう嫌、嫌であります!我輩こんな世界から出て行ってやる!そう、ガンダムの世界へ!」
夏「しつこーーい!やめさせてもらうわ!」
漫談デイリー
勝手に何処でも行ってこい!
――――――――
ボケ:ケロロ、ツッコミ:日向夏美
これガンダム知らない人には分からないんじゃないかな・・・。
いろいろすみません!