「さっぶ!有り得ないであります!」
「その台詞は俺のだろ。あんたがクリスマスだからイルミネーション見ようって言い出したんだぜぇ?」
「そうだけど、想像以上の寒さ!何で今日に限ってこんな寒いのよぉ!」
「天候に文句言うなよな。まあ、確かに寒くてイルミネーションどころじゃねぇが」
「しかも空飛んでるって余計寒い!もうせっかくのクリスマスデートなのにぃ!」
「クリスマスデートねぇ・・・」
「はっ!」
「何だぁ?」
「クルル!我輩のコートの中においで!」
「はあ?」
「同じコートの中に入れば体温で暖かいしクルルを感じられて、しかもあすなろ抱きみたい!これぞ一石三鳥!」
「あすなろ抱きって世代全然違うだろ」
「この前テレビで見たもーん。それともこの間見た飛行石の二人みたいって言った方がよかった?」
「どっちでもいいわ」
「ぶー、もう我が儘なんだからー。ほら早く」
「あーはいはい」
「ん。暖かいね」
「まあな」
「イルミネーションも綺麗だし、人混みに紛れなくてもいい特等席だし、他の人には俺たちの事が見えないし?もう二人の世界って感じ?」
「あんたは何処で誰がいようと関係ねぇだろ」
「えへへー」
「いや、褒めてねぇから」
「それだけクルルしか目に入ってないって事だよーん。ほら、今もイルミネーションなんかよりクルルの方が俺には何万倍も綺麗だよ」
「何格好つけて言ってんだ気持ち悪ぃ」
「えー、ひどーい。帰ったら仕返ししてやるぅ!」
「あー、分かった分かった。精々熱くして下さいよ」
「まっかせて!忘れられない夜にしてあげる!」
「もう気持ち悪くて黒歴史だけどな」
「ヒドッ!」
聖夜スペンド
君と居られるなら何処へでも。