診断メーカー



「ちょっと、離してよ・・・っ!」

腕を掴んでいる手を何とか引き離そうと腕を振るが、掴まれた腕はびくともしなかった。
その事実に苛立ちながら俺の腕を掴んでいる張本人である伊達男を睨んだが、伊達男は愉しそうに笑っていた。

「手を離したら逃げるだろ?」

「だからってこんな所でするとか嫌がらせ?」

低い声で言ってもこの伊達男には意味がないと分かっているが、それでも込み上げてくる怒りは抑えられなかった。
人通りの多い場所。しかも真田の領地内、というより城の中だ。周りの兵士はどうしたものかと俺たちを窺っている。
この伊達男は旦那に招かれた客人。手を出されない限り、手を出す事は出来ない。
それを伊達男も分かっているのだろう、俺と周りの反応を気にもせず、くつくつと喉を鳴らした。

「いんや?ただお前が逃げない時を狙っただけだぜ?」

思わずチッと舌打ちをする。
失敗だった。この伊達男が真田の領地に入った瞬間に俺が領地から出ていけばよかった。そしたら旦那に呼び出される事も伊達男と顔を合わせる事もなかったのに。
殺気立つ俺に、伊達男は相も変わらず、訳も全く分からないが愉しそうに笑っている。

「・・・何の用?」

「そりゃ酷ぇなぁ、毎回言ってんだろ」

最悪な気分でそれを睨み付けていたら、伊達男は掴んでいた俺の腕を引っ張り歩き出した。

「ちょっと、何っ」

掴まれた腕はやはり外せなく、俺は伊達男に有無を言わさず引っ張られていく。
人通りの多い場所だったのが、段々狭く人もいない場所へと変わっていく。
ヤバイと思った時にはもう遅く、薄暗い路地裏のような壁に囲まれた隙間に突っ込まれた。
背中を思い切り壁にぶつけられ、痛みで顔をしかめたら、伊達男が逃げ道を塞ぐように俺の頭の両側に手をついた。

「ん・・・っ、」

そのまま俺の首筋に顔を埋め、カプリと噛み付いた後に歯形をなぞるように舐めてくる。
丹念に感触を楽しむようにカプリカプリと噛み付き、時折思い切り噛み付く。そしてねっとりと舐め、吸い付く。
俺はぞわぞわと粟立つその感覚に耐えながら、唇を噛んだ。足から力が抜けるが、こんな男にすがり付くなんて気持ちが悪くて足に無理矢理力を入れた。
伊達男の舌が上に上がってくる。耳を軽く噛まれた瞬間肩が上がったが、声は出なかった。
そんな俺の反応がよかったのか、耳元で伊達男はくつくつ笑った。そして熱の篭った声で言う。

「俺の物になれよ」

顔が熱くなる。この伊達男をぶん殴りたいと思った。
伊達男が視線を合わせてくる。生理的に浮かんだ涙の所為か、少しその顔は歪んでいた。
俺はその顔を思い切り睨み付けて、言った。

「し、ね・・・っ!」

至近距離にあったその顔は少しだけ目を開き、獰猛に笑った。

「お前バカか?…その反応、逆効果なんだよ」

不敵に笑う伊達男に言う文句は、噛み付かれた口に吸い込まれた。






END



猿飛佐助は、壁に押し付けられて、「お前バカ?…その反応、逆効果だっつーの」と言われます。

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ついでに。
石田三成は、脇腹をなぞられながら、 「声、抑えんなよ…もっと啼かせたくなる」と言われます。



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