初めて見た時戦慄を覚えた。
自分と同じか、少し上か。大して変わらないだろう歳に見えたが、その姿は圧倒的だった。

まるで台風のように。
まるで雷電のように。
背中に竜を背負い、周りにいる人間を巻き込んで吹き散らしていく様は凄まじいの一言だった。

自分はまだ初陣から数える程しか戦に出ていない。
果たしてあの竜は、いったい幾つの修羅場をくぐり抜けて来たのだろう。
遠目から台風を眺めて、背中に悪寒が走ると同時に自然と口角が上がるのを感じた。



技量が足りないのなら鍛練を。
経験が足りないのなら一度の戦でより多く身につければ良い。
胆力をより強く。筋力をより強靭に。
足りないのなら足す。
差があるのなら埋める。
あの竜に近付く為に。あの竜と同じ位置に立つ為に。



武田家の一家臣、真田家の次男坊である自分に比べたら、一国の領主であるあの竜は背負うものは遥かに重いだろう。
だが、そんな事は関係ない。
立場も思想も関係ない。

そう、それは純粋な欲求。
武士として誇り高い思い。



「奥州筆頭、伊達政宗殿とお見受け致す」

あの時思った事を成す為に。

「某は真田源二郎幸村!」

あの時思った事を叶える為に。

「我が槍、受けてみよ!」

俺は、この竜に勝ちたい。






Just like that



竜を貫き、越えていく。
















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伊達のBGM:あっおい稲妻が僕をせーめーるー ほーのおーかーらだー焼きつーくーすー

伊達「ゲッチュ!」



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