「小樽くん、大好きだよ」
「んー」
仕事の準備をしている小樽くんの背中を見ながら、話し掛ける。
「好き好き大好き愛してるぅ!」
「んー」
僕がこんなに愛の告白をしてるのに、返されるのは生返事。
なんて寂しいことだろう!
「おったるくーん!聞いてるぅ!?」
「んー」
聞いてないでしょ!!嫌になっちゃうよもう。
「小樽くん、僕はね、小樽くんのまっすぐなところとか、すぐ調子に乗るところとか、ちょっと乱暴なところとか、けどすごく優しいところが大好き。僕はいつも小樽くんが好きだよ、」
例え、小樽くんが僕を『好き』じゃなくても。
「僕は小樽くんが好き」
それだけ言って、気が済んだ。
そう、僕は君が大好きなんだ。
小樽くんは黙々と作業をしていた。僕の告白はまた流されたのかな・・・。でもいいんだ、僕の一人よがりでも。よく言うでしょ?『傍に居るだけで幸せ』だって。
小樽くんの背中を眺めながら、僕は『いよかん』を歌う。
格好いいなぁ、好きだなぁ。
どのくらいそうしていただろう、いきなり小樽くんは言った。
「・・・・・・知ってるさ、そんなこと」
いきなりで、何の事か分からなかった。
「・・・へ?」
だから、つい聞き返してしまった。
「だから知ってるから、何回も言うんじゃねぇ」
そう言っている小樽くんの表情は見えなかったけど、心なしか耳が少し赤い気がした。
その言葉で、赤い耳で嬉しくなる。
僕は嬉しくて笑う。
だってそれは、僕の気持ちは伝わっているということ。
小樽くんの中に、僕が存在している。
「ねぇ、小樽くん」
それは、なんて嬉しいことだろう。
「大好き」
願望ノウティス
いつか、僕の気持ちが繋がるように。