「明音…」
最近、明音は私に話しかけてこなくなった。
私から突き放したのだから当たり前だけど、不安になる。
明音は私のことが嫌いになったんじゃないか、と。
自分からそうなるようにしたのに、自分はつくづくずるい女だ。
依存し過ぎていると思って、一方的に彼を突き放したくせに、いざ離れれば、嫌われたくない、寂しいと思っていた。
そんな都合の良すぎることを思う自分が嫌だ。憎い。
その度、自業自得だ、自分からやったんだろうと自責していた。
そして、そんな感情が自分の中を埋め尽くしていくうちに、この世にいる意味があるのか疑問に思った。
君 に 嫌 わ れ て い る の な ら
(いっそ、死んだ方がマシ)
(そんな私は、)
(自然と屋上へと向かっていた。)
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