無事に式を終えた私と梓馬さんは、新居に帰ってきていた。
ここが、今日から私たちが暮らす家。
そう思うと、胸の内が温かくなる。
「梓馬さん、式が無事に終わってよかったですね!」
「あぁ、そうだな」
「みんな、祝ってくれましたね!」
「…あぁ、多少うるさいのがいたがな?」
「あはは、確かに」
披露宴のときに、香穂ちゃんと奈美ちゃんがすごくはしゃいでいたのを思い出す。
「…二週間後には、私も受験生なんですね…。がんばって、梓馬さんと同じ大学に行きます!」
「あぁ、がんばってね。俺も、大学生活を有意義に過ごせるよう努力するさ。」
そんな話をしていると、じわじわと体に疲れが表れてきた。
「疲れたかい?名前」
「あ…はい…ちょっと…」
「じゃあ寝室に行こうか。」
そう言って私たちは寝室に移動し、各々部屋着に着替えた。
そして二人でベッドに座り、私は梓馬さんの肩にこてん、と頭を乗せ、寄りかかった。
「…梓馬さん、私…梓馬さんの奥さんに、なったんですよね」
「あぁ」
「…なんだか実感がまだわかないです」
「…なら、体に思い知らせてやろうか?」
どさっ、とベッドに押し倒され、気付けば上には梓馬さんが。
「え、ちょ…」
「言っておくけど、疲れていても、俺は手加減しないからね?」
「待って、梓馬さっ…」
とたんに、唇を塞がれ、口内をやんわりと刺激される。
「んっ、ふ…」
「名前、好きだよ」
名残惜しそうに唇が離れ、ぼんやりしながら彼を見ると、不敵な笑みを浮かべていた。
「…名前、今夜は寝かせないからね」
「えっ…!?」
その日は、彼の言った通り、寝かせて貰えず、結局眠りについたのは、翌日の朝だった。
式後の夜
(この日のことは)
(今でも濃厚な記憶として)
(まだ頭に残っています)
110407
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