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藍島ノエル



いつも腕枕してくれているノエルの腕がない。

「ノエル…?」
部屋の中をぐるっと見渡してみるが、ノエルの姿がなく、不安に駆られる。

ベッドから降りて探そうと思い、ベッドの下を覗き込むと、そこに、彼がいた。

「ノエル!」
「…ん…名前…?」
「な、どうしたの?」
「…多分、ベッドから落ちた。」
「…そっかぁ…よかった…」

ノエルは、すっと起き上がって、ベッドに座る。

「…どうかしたか?」
「え?」
「涙の跡。」
そう言ってノエルは私の頬に触れた。

「えっ、うそっ…」
「なんか嫌な夢でも見たの?」
「う……うん…」
「どんなの?」
「…ノエルが、いなくなっちゃう夢。」
私はノエルの肩に、ぽすっ、と頭を預けた。

「名前…」
ノエルは私の頭を優しく撫でてくれた。
「…大丈夫、俺は名前の前から絶対にいなくならないから。」
「ホントに?」
頭をあげると、ノエルは優しく微笑んでいた。

「絶対、いなくならない?」
「あぁ、絶対に、な。」
「そっか…へへ、嬉しいな。」
私は、照れくさくて、ノエルの胸に顔を押し付けた。
すると、ノエルはぎゅうっと強く抱き締めてきた。
「それに、俺も、名前と離れたくないんだ。」
そう言って、穏やかに微笑んで、私にチュッと音をたてて、可愛いキスをしてきた。







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テーマ「人外ファンタジー」
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