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北大路悠月



「悠月さん、どこ…?」

ベッドから出て、彼の姿を探す。するとお風呂から水の音がした。


「お風呂…?」
フラフラとお風呂場へ向かう。

洗面所の扉を開けると、やっぱりお風呂に誰かが入っていた。
私はぐっと息を飲んでから扉を開けた。


「なっ…名前!?どうしっ…」
私は悠月さんを見た瞬間、濡れるのも気にせず抱きついた。

「ちょ、名前。濡れる…」
「良いのっ!」
「名前…。どうかしたのか?」

悠月さんはシャワーを止め、私を優しく抱き締めて、耳元でそう聞いてきた。


「うぅっ…ゆ、夢でね…悠月さんに…」
「俺に?」
「…置いていかれる、夢を見たの…それで、起きたら、悠月さんがいないからっ…ホントに置いてかれたと思って…怖かったのっ…」
「…そうか…ごめんな、不安にさせて…」
悠月さんは私の頭を撫でてから、頬にちゅっとキスを落とした。






「ごめんね、悠月さん…お風呂、邪魔しちゃって…」
「謝んなくて良いよ。もう上がろうと思ってたとこだし。それに、お前から抱きついてきてくれたしな。」
そう言って悠月さんはニヤリと口角をあげた。
「なっ…あれはっ…だって…」
頬が熱くなるのを感じながら俯くと、悠月さんがグイっと顎を持ち上げ、キスをしてきた。

最初は優しく重ねるだけの唇が、段々熱を帯び、激しくなっていく。
舌で口をこじ開けられ、柔らかいものが口内を犯していく。
頭が真っ白になって、何も考えられなくて、悠月さんの動きに付いていくので精一杯だった。

しばらくして、名残惜しそうに悠月さんの唇が離れた。つぅ、と銀の糸が引き、それを見ただけで、なんだかドキッとした。

「名前…俺、お前を離す気ねぇから。それだけはしっかり覚えとけよ?」
「…はいっ!」





110623


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