恋というのは
なんて残酷なんだろう
そんなこととっくに理解してるのに
いつからか
俺は彼に恋をしていた。
俺の彼への気持ちが恋と気がついてから、半年ほどが過ぎたころ。
相変わらず、顔を合わせれば喧嘩になってしまう。
そうなると俺はすごく嫌な気分になる。
大好きなのに殺し合いしなければならないという、残酷な日常に。
でもこの距離じゃなきゃ、ダメなんだ。
下手に何かして彼と会えなくなるくらいなら、殺し合いでもなんでも一緒にいれる方が絶対にいいと思ったから。
今日も喧嘩をしていて、彼…―平和島静雄から丁度逃げてきたとこだ。
「ハァッ、っ…たく…シズちゃんはなんですぐキレんのかな…はぁ…」
息切れするほど全力疾走して、住宅街に入り俺は呼吸を調える。
2分たっても呼吸が調わないってどういう事なの。
シズちゃんに追いかけられると無駄に体力消耗するよ…。
「…こんなに、スキなのに。」
なんで伝えられないの。
ぽつりと俺は聞こえないくらい小さな声で呟いた。
俺には、世界で一番大嫌いな奴がいた。
あいつはいつも人を馬鹿にしたような態度で、いや、馬鹿にしてて、
なのに、人を嘲笑ってる笑顔も、言葉も、全てが愛しく思えた俺は
可笑しいんじゃないかと思った
半年たった今も、愛しいのに、顔を合わせれば喧嘩してしまう。
「ハァッ、あいつ…どこ行きやがった…」
今はそいつ…―折原臨也を追いかけていた。
今日も変わらず喧嘩していた。
「あいつ、ちょこちょこ動きやがって…」
臨也を追いかけると無駄に体力消耗すんだよ…まぁそんなこと言うなら追いかけんなって話だろうが…
「好きなんだから、追っかけてぇんだよ…」
小さな声で、俺はそう呟いた。
「あ、シズ…ちゃん」
「臨也…やっと見つけ…た……」
静雄が臨也を見つけたとき、臨也は泣いていた。
「!…見ないでよシズちゃん…」
臨也はぱっと後ろを向く
「…泣いてんのか?」
「泣いてないよ、勘違いしないでよ」
静雄は臨也に近づき彼の肩に頭を乗せ 腕を掴んだ
「俺は見ねえから…誰もいねぇ内に、泣けよ。」
「なっ…離してっ…!」
「嫌だ。いいから、泣けよ。」
「っ…ぅ、ふ…」
俺は、
――――君が
――――お前が
大好きなのに、
何で伝えられないのだろう…。
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おわりましたーっ
初静臨でした。
まさか初が悲恋になるとは思ってもみなかった…。
静雄が静雄じゃなかったり臨也がうざくないなどそんなこと言わないであげてくださいorz
ではではここまで読んでいただきありがとうございました(*^ω^*)
誤字脱字などはメールや拍手でご連絡頂けると嬉しいです(*^ω^*)
100321
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