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不安



七夕から数日経ったある日のHR。

「今日は文化祭で何やるか決めるぞー。何か案はあるか?」

文化祭か…。
一年生で雑貨屋、二年生でお化け屋敷をやったなぁ…。

「せんせー!」
「神山か、なんだ?」
「俺、メイド喫茶したい!」
「メイド喫茶か…」
「あ、じゃあじゃあ、メイド&執事喫茶とかは?」
「名前ナイスアイデア!」


結局、冬夜君と私が提案したメイド&執事喫茶に票が集まって、私のクラスはそれをやることになった。



そんな話し合いがあった次の日、文化祭委員の私は、委員会の担当の先生からの手紙を先生に渡そうと思って、先生を探していた。

職員室がある階への階段を降りていると、踊り場で先生を見つけた。わ、運命?ラッキー!と思って声をかけようとしたけど、先生の前に女のコがいて、私はすぐに隠れてしまった。なんで私隠れたんだろ…。


「森本?どうした、こんなとこに呼び出して…」
「あ、あのっ…、」

森本?森本って…隣のクラスで可愛いと評判の森本さやかさん?


「先生、私…先生のことが好きです!私と、付き合ってください!」


なっ…えっ!?
そんな、可愛い人が、谷原先生のことが好き!?
そ、そんなあ…私…勝ち目ない…

そんなことを考えていると、先生が口を開いた。


「あー…うん、ありがとう。…気持ちは嬉しいんだけど、…ごめん。君とは、付き合えない。」
「…私が、生徒だからですか?」
「…ん、まあ…うん。…ごめんな。」
「…わかり、ました…」

そう言って森本さんは階段を降りていった。

"生徒だから"か…やっぱり、私も諦めた方がいいのかな…
森本さんは可愛くて、優しくて…そんな森本さんでも無理だったのに…私なんか叶うわけないよ…


さっきの告白を見てしまった私の心の中にはもやもやと不安でいっぱいになった。






120419



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