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彼女は悩んでいた。

最近彼女の頭の中には、宮村がたくさんいて、何をするにも宮村が気になってしまうらしい。
だが、彼女はこの感情が何なのか、わからずにいた。

そんな不安定な状態だからなのか、宮村といるときも意識してしまい、そわそわしたり、そっけなくしてしまったりするようだ。


「苗字さん」
「えっ!?あ…なん、ですか?」
「これ、どこに置けば良い?」
「あ、えっと…それはあっちの棚に…」

宮村は言われた棚に、新しい本を置き、彼女を見つめた。
彼女は下を向いてずっと何かを考え込んでいた。
彼女の悩みの理由が自分であることをわかっているのか、彼女をじっと見つめる宮村の顔は、申し訳なさそうだった。



「苗字さん、」
「な、なんですか?」
「…ごめんね、やっぱりこないだのこと、困らせちゃったよね。」
「あ…いえ…そういうわけじゃ、」
「忘れて良いから」
「…え?」

突然宮村が放った言葉が一瞬理解できなくて、彼女は咄嗟に聞き返していた。

「こないだの告白、忘れて良いから。…だから、気にせず前みたいに接して?」
「…どうして、そんなこと言うんですか」
「え?」
「…私は、宮村くんに告白されて、嬉しかったです。胸がきゅうって締め付けられました。」
「え…それって…」
「宮村くん、」



この感情は何ですか。
(そう言った彼女は、)
(顔を真っ赤にして)
(今にも泣きそうな顔をしていた。)





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