Trick but treat(お菓子は頂きます、ですが悪戯もしますから)〜北大路皐月の場合〜
「こんばんは、お久しぶりですね」
「あ、皐月さん、こんばんは!」
「Trick but treat、です」
「…へ?え、あ、バット?オアではなくて?」
「えぇ。お菓子は頂きます、ですが悪戯もしますから」
「…えっ?」
皐月さんから、少し信じられない言葉が出たような気がするような、しないような。
「ですから、今夜は覚悟しててくださいね」
やっぱり出ていたようです。
「いや、あの、お菓子は、あるんですけど…」
「おや…ありがとうございます、いただきますね。」
「それ出したからって悪戯免除には…?」
「なりませんね。なんせTrick but treatですから。」
「ですよね!」
いつから我が国にそんなハロウィンルールが出来たのか教えてもらいたいよ!!しかも発音めちゃくちゃ良いし!
でも、なんだかいつもよりドSな皐月さんに少しドキドキしていた。なんとか抵抗をしてみても、それもまた無力に終わり、とうとうベッドに縫い付けられてしまった。
「あのっ、皐月さんっ…」
「なんですか?」
「ご、ご飯、食べてからにしませんか…?」
「…申し訳ないですが、それは出来ない頼みです。何せ、最近会ってなかったから、…だから今日は、貴女をずっと感じていたい。」
「!…んっ!」
恥ずかしくて赤面していると、皐月に口を塞がれてしまった。
皐月さんはずるいよ。
そんなこと言われちゃったら、断るわけにはいかないじゃないですか。
111031
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